伊賀と甲賀、歴史的和解に課題山積

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先月甲賀市議会は伊賀市との「歴史的和解」を締結すべく働きかける宣言を採択したが、内外より波紋が広がっている。

反対派の市議会議員は「なぜ甲賀の側から働きかけないといけないのか。(歴史的対立の)そもそもの発端は(服部半蔵の)服部家。その服部宗家が一言もないのはおかしい」と憤りをあらわにする。

一方市民の反応は中年以上の世代が賛否両論に分かれる中、若い世代は「伊賀ってどこですか?(男性19歳:専門学校生)」などと逆に記者に質問するなど、世代間で関心のギャップも浮き彫りになっている。年配の世代の一部には「望月さん(甲賀の代表的な上忍)達が決めること。わしら下忍には関係ない(男性64歳:農業)」などさめた反応も見受けられた。

また一連の動きに蚊帳の外に置かれる形になった湖南市(旧甲賀郡)のある市議は「我々も甲賀者なのに何も相談なしとは」と戸惑いを隠せない。

推進派の議員が「ようやく巡ってきた『国交正常化』」と気勢を上げる一方、伊賀側が官民とも口をつぐんで旗幟を鮮明にしていないことも事態の不透明さに拍車をかけている。

―借力日報滋賀版