もし28道府県制が導入されていたら

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1903年(明治36年)に内務省が策定した法律案「府県廃置法律案」では、47道府県を大幅に合併して削減し、「28道府県」に再編する計画を立てていました。

当時の桂太郎内閣のもと閣議決定も行われ、1904年(明治37年)からの施行が予定されていました。(なお、正確には「45府県を26府県へ再編する法案」でした。北海道と沖縄県がまだ特殊な扱いだったため。)

しかし、当時の政治的混乱や、日露戦争の影響などで、この法案は帝国議会へ提出されずにお蔵入りになってしまいました。その後も成立しないまま、現在に至ります。

では、もしこの28道府県制が導入されていたら、どうなっていたでしょうか?

新たな28道府県 (人口は1903年当時)
地域 新府県名 旧府県の区域 人口 面積(km2)
北海道 北海道庁 北海道(千島列島を含む) ※当時は特殊な扱い 859,534 78,421
東北地方 青森県 青森県岩手県中北部(江刺胆沢気仙西磐井東磐井の5郡を除く8郡) 1,058,235 21,541
秋田県 秋田県山形県中北部(村山最上庄内地方) 1,422,414 18,503
仙台 宮城県、岩手県南部(江刺・胆沢・気仙・西磐井・東磐井の5郡=旧仙台藩領) 1,114,434 10,669
福島県 福島県、山形県南部(置賜地方。米沢など) 1,277,314 16,239
関東地方 宇都宮 栃木県群馬県茨城県北部(東茨城西茨城那珂久慈多賀の5郡。水戸など) 2,101,549 15,745
千葉県 千葉県、茨城県南部(北部5郡を除いた9郡。土浦つくば古河など) 1,072,518 8,278
東京府 東京府埼玉県山梨県 3,756,603 10,452
神奈川県 神奈川県静岡県東部(伊豆国駿河国静岡市、富士沼津など) 1,582,908 7,608
中部地方 新潟県 新潟県 1,740,350 12,584
長野県 長野県 1,262,799 13,562
金沢 石川県富山県福井県北部(嶺北)、岐阜県北部(大野郡吉城郡飛騨国下呂

※「大石川県」よりも大きい

2,094,741 14,852
名古屋 愛知県岐阜県南部(美濃国+下呂)、静岡県西部(遠江国浜松など) 3,042,089 15,048
三重県 三重県和歌山県の東端(東牟婁郡新宮など) 1,071,664 6,700
近畿地方 京都府 京都府滋賀県、福井県南部(嶺南敦賀小浜など) 2,793,780 9,729
大阪府 大阪府奈良県和歌山県(東牟婁郡を除く)、兵庫県の南東端(川辺郡尼崎など) 1,814,703 10,765
兵庫県 兵庫県(川辺郡を除く)、鳥取県東部(因幡国鳥取市など) 1,810,727 9,604
中国地方 松江 島根県、鳥取県西部(伯耆国米子など) ※「大島根県」よりは小さい 953,688 8,686
岡山県 岡山県広島県東部(備後国福山など) 1,712,423 11,268
広島県 広島県西部(安芸国)、山口県豊浦郡下関市を除く) ※領域が西へスライド 1,692,390 9,723
四国地方 高松 香川県徳島県 1,375,023 6,024
愛媛県 愛媛県 992,540 5,678
高知県 高知県 620,061 7,105
九州地方 福岡県 福岡県大分県、山口県の内(豊浦郡下関市)、長崎県の内(壱岐国対馬国 2,464,680 12,882
長崎県 長崎県(壱岐国と対馬国を除く)、佐賀県 1,439,476 5,698
熊本県 熊本県 1,149,020 7,405
鹿児島県 鹿児島県宮崎県 ※第2次府県統合のときと同じ 1,565,720 15,685
沖縄県 沖縄県 ※当時は特殊な扱い 460,221 3,516
廃止される19県
地域 県名 併合先の府県
東北地方 岩手県 北→青森県 南→仙台県
山形県 北→秋田県 南→福島県
関東地方 群馬県 宇都宮県
茨城県 北→宇都宮県 南→千葉県
埼玉県 東京府
中部地方 山梨県 東京府
静岡県 東→神奈川県 西→名古屋県
富山県 金沢県
岐阜県 南→名古屋県 北→金沢県
福井県 北→金沢県 南→京都府
近畿地方 滋賀県 京都府
奈良県 大阪府
和歌山県 西→大阪府 東→三重県
中国地方 鳥取県 東→兵庫県 西→島根県
山口県 東→広島県 西→福岡県
四国地方 徳島県 高松県
九州地方 大分県 福岡県
佐賀県 長崎県
宮崎県 鹿児島県

同じ領域のまま存続する7道県

全般

  1. 史実よりも大きな府県の都となった都市はいっそう発展した。一方、県庁を失った都市は史実よりも発展しなかった
  2. 宇都宮金沢は史実より巨大な県の県庁所在地となり、更に巨大な都市になっている
    • 両都市共に遅くとも平成の大合併で政令指定都市へ移行できた
    • 宇都宮南部の福田屋インターパーク店、及びインターパークショッピングビレッジは史実に10年先駆けて完成している
      • 或いは宇都宮市南部は完全に市街地なっている
    • 宇都宮の人口は80万人、金沢は70万人くらいになっている。
  3. 岡山市も史実より巨大な県域を誇るため、政令指定都市移行が早まる
    • 西の拠点である福山市と切磋琢磨しあう
    • 福山は岡山県の街となったことで、広島よりも岡山の影響を強く受けるようになる。
  4. 県の領域が大きく変わったことにより、県庁の移転議論などが起こる
  5. さらなる再編が起こる

交通

  1. 地方空港の数が半減していた。
    • 国道の本数も半減していた。
  2. JRの会社区分が変わっていた。
    • 東海道本線は熱海駅ではなく島田駅がJR東日本とJR東海の境界になっていた。
      • 御殿場線・身延線もJR東日本の管轄に。
    • 紀勢本線も串本駅がJR西日本とJR東海の境界になっていた。
    • 高山線は高山駅が境界。JR西日本が高山〜富山を電化し、新幹線接続特急を運行する。
      • 高山市は、富山・金沢志向が強かった。
  3. リニアが静岡通過問題で困ることはない。

スポーツ

  1. 静岡県が無くなるので清水エスパルスの結成とJリーグ初年度加入は無かった
    • 日本でサッカー人口の多い県は今も昔も神奈川県になる
    • その代わり、ジュビロ磐田かセレッソ大阪がJリーグ初年度から加入している
  2. 本拠地にしている都市が県庁所在地ではなくなるのでモンテディオ山形、清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府、大分トリニータ、徳島ヴォルティスのプロ化が無くなるか、史実より加入時期が遅くなる
    • その代わり史実より巨大な県の県庁所在地のチームである、栃木SC、ツエーゲン金沢、ファジアーノ岡山、カマターレ讃岐、ギラヴァンツ北九州、鹿児島ユナイテッドのJリーグ加入が史実より早まっていた
  3. 高校野球全国大会は夏の選手権も32代表制だった。
    • 北海道、東京に加え神奈川と大阪も毎年2校が出場している。
      • 32はちょうど5回戦できれいに割り切れる出場数のため、現実のように初戦が1回戦からの学校と2回戦からの学校が混在してはいない。
    • 春の選抜も1道府県につき最低1校の出場は保証されていた。秋季大会の成績によっては上記4府県以外から複数校が選出される。
      • 現在は一般選考を除き現実と同じ出場枠である。

放送局・メディア

  1. 史実の山梨県全域、静岡県東部はなし崩し的に関東広域放送圏に入るため、山梨と静岡東部はアニメ過疎地にならなかった
    • 特に山梨県は東京府に所属していることもあり、東京MXの視聴も可能になり史実と違いアニメの視聴はかなり充実している
      • テレビ大阪の放送エリアも現実の奈良・和歌山県の大部分にも拡大していた。そのため奈良テレビとテレビ和歌山は存在しない。
  2. 県の領域が大きくなるのでテレビ東京系列の視聴エリアは史実より拡大している
    • その代わり各地域の視聴エリア拡大にとまどり、テレビ北海道の全道視聴エリア化は史実より遅れていた
  3. 都道府県数自体が減っていたので、テレビ局の数も現実より減っていた。

東北

  1. 山形市は完全に仙台市のベッドタウンと化す
    • 旧山形県エリアは最上地方への人口集中が進まず、県庁が日本海側の秋田市にあるため庄内地方の方が発展している
  2. 青森県は県庁所在地の青森市が偏った場所(県の北端)になるので、津軽(県の西部)と南部(県の東部)の争いがヒートアップしていた
    • 県東部の住人が県庁を県の中心に近い八戸へ移転を頑なに主張している
    • 八戸市の人口は史実より多い。
    • 青森市は広大な県の都として史実よりも栄える。
    • 盛岡は北東北の中心都市としての繁栄を失い、弘前・八戸と同格ほどの、青森県の南部の都市の一つとなる。
  3. 旧岩手県地域(仙台県に編入された地域を除く)は山岳部が多いので人口がスカスカになっていたかも・・・
    • 青森県は史実より人口流出が激しくなかったかも知れない
  4. 青森県内の旧岩手県地域の人口が減少するため、東北新幹線は盛岡までの開通が遅れる
    • 秋田新幹線は山形新幹線の延長、すなわち新庄〜大曲〜秋田の改軌という形で開業する。
  5. 秋田県の一部となった山形市から、県庁のある秋田市までが遠すぎるため(200km以上)、村山地方からは秋田よりも圧倒的に近い仙台県への移籍運動が起こった。
    • 秋田県側は村山地方の離反を防ぐため、県庁を中央に近い湯沢市横手市に移転することで手打ちにしたかもしれない。
      • 史実として、会津の『若松県』が1876年に福島県に併合されたあと、県庁のある福島市まで遠すぎるため独立運動が起こった。また、県庁を北端の福島市ではなく中央の郡山市に移転すべきという運動も起こった。福島県はこれに対して、1887年に旧若松県のうち福島市まで最も遠い東蒲原郡のみを新潟県へと移籍させ、かわりに県庁は福島市のままとすることで手打ちにした。
  6. 福島県内では会津若松と米沢を結ぶ路線が強化されていた。
  7. 青森〜秋田〜新潟を結ぶ『羽越新幹線』が開通していたかもしれない。

関東

  1. 東京府から東京市が特別市として分離するとしたら府庁の移転先は浦和か大宮が有力だが、県の中心地に近い秩父や青梅辺りに移転していた可能性もあったかも知れない
    • その場合、人口は最低でも30万人は居た、また秩父か青梅を本拠地にするJリーグチームがあったかも知れない
    • 交通の要所である大宮は史実通りの発展をするが、浦和は一宿場町のまま。昭和の大合併で大宮市に吸収される。
  2. 宇都宮県は北関東をほぼ統合するため東西間の交通が史実より早い時期に整備される
    • 水戸線、両毛線は小山ではなく宇都宮発の路線になっていた。
      • 栃木~宇都宮間は両毛線となるので、東武宇都宮線は存在しない。
      • 水戸線は岩瀬駅から先、下館ではなく真岡を経由した。真岡線下館~真岡間は存在せず、岩瀬~小山間は「小山線」という別の路線となっていた。
      • 宇都宮駅は東北本線、日光線、水戸線、両毛線、烏山線、宇都宮市電が乗り入れる大ターミナルとなっていた。
  3. 県庁所在地ではなくなるため前橋市の人口が半減する
    • 多分旧群馬県地域の主導権は完全に高崎に握られる、その高崎も県庁所在地から遠いので人口が史実より減って居そうだが・・・
  4. 神奈川県では県の中心に近い小田原市が県庁移転を頑なに主張している
  5. 千葉県は総武線沿線より常磐線沿線のほうが存在感がある。
    • が県庁移転運動を行っている。
  6. 丹波山村小菅村は多摩地方の町村と合併していた。
  7. 千葉県は総武線沿線より常磐線沿線のほうが存在感がある。
    • 柏が県庁移転運動を行っている。
  8. 日立製作所本社サッカー部は当初は現在の茨城県北部を本拠地にする予定だったので、Jリーグ空白地域の宇都宮県へ移転してプロ化する
    • 鹿島アントラーズは史実と違い千葉県に本拠地があるため県の支援を受けられずプロ化とJ加入時期が遅れていたかも知れない
  9. 大正~昭和初期に宇都宮市は路面電車を開業させ(宇都宮市電)、のちにLRT化される
    • LRT化も史実より20年早かった。
      • 都市の規模が拡大しているので80年代あたりに路面電車が廃止され新交通システムが建設されていた可能性もある。
ファイル:宇都宮県庁舎.jpeg
宇都宮県庁舎(イメージ)
  1. 宇都宮県庁が史実の栃木県庁よりもとんでもない高さになっている。150mくらいありそう。
    • 宇都宮駅周辺には再開発で100m級ビルが乱立。
  2. 百里飛行場は「茨城空港」として軍民共用化しなかった。
    • その代わり、北宇都宮駐屯地が「宇都宮空港」として軍民共用化されていた。
      • 東北本線に「宇都宮空港駅」が開業している。
      • スカイマークやFDA、ジェイエアが新千歳、丘珠、伊丹、神戸、小牧、静岡、福岡へ直行便を飛ばす。
      • 滑走路も史実の1700mから2000mくらいに延伸されていた。
  3. ヤマダ電機ケーズデンキは存在しなかった。あっても規模はコジマより小さくなっていた。
  4. 高崎市前橋市水戸市はただの一地方都市と化す。
    • 新幹線のある高崎は人口25万、新幹線すらない前橋は人口18万。水戸は15万人程度しか人口がない。
      • 宇都宮市のベッドタウンとして鹿沼市、壬生町、下野市、真岡市、栃木市は史実より人口が多くなっていた。
        • 壬生町、芳賀町、高根沢町が市制施行。

中部

  1. 県の端っこになり県庁所在地でなくなるため静岡市の人口は思うほど増えず、政令指定都市に移行出来なかった
    • 浜松豊橋岡崎並みの人口30万程度の中都市。
      • 大井川が電力会社やJRの境界になっている。
        • 大井川は歴史的にも駿河・遠江の国境で、現在でも東日本西日本の境界にほぼなっているから、このほうが自然だったかもしれない。
          • 旧遠江国は完全に中京圏に組み込まれていた。
      • 浜松は現実でも県庁をもたない端っこの町なのに大きく発展して政令指定都市となっているのだから、この法律案(名古屋県の東端)でもほぼ同じ状況なのでは?
      • 名鉄は浜松まで延伸されていた。
  2. 岐阜市は完全に名古屋市のベッドタウンと化す。
  3. 富山と福井の路面電車は、1970年までに全廃していた。富山港線も2006年に完全廃止。
    • 富山駅は高架化されなかった。
  4. 白川郷は北陸の観光名所として認識されていた。
    • 現状だと何地方として認識されているのだろうか……?「岐阜県・富山県の境」という表現しか見ない。
    • 高山も。現実よりも金沢・富山方面との結びつきが強くなっていた。
  5. 「北信越地方」という言葉が使われず、「金信越地方」と呼ばれる。
    • 現状だと「北陸(富山・石川・福井)と信濃と越後」をあわせた概念だが、もはや北陸=金沢県となるため。
  6. げんこつハンバーグで有名な「さわやか」は名古屋県を中心に店舗展開し、名古屋方面にも進出していた。
    • 間違いなく「名古屋めし」の1つに数えられていた。

近畿

  1. 奈良地方は完全に空気化する
    • 多分、下手すると奈良市よりも奈良盆地で最大の城下町だった大和郡山のほうが大きな都市になっている
    • 和歌山市も大阪府内の1都市になるため、現実以上に衰退していた。
      • 恐らく岸和田市と同規模の都市になり、場合によっては田辺市の方が発展していた。
    • 阪和線は最初から国によって敷設されていたかもしれない。
  2. 泉南郡南海町と東鳥取町の合併で阪中町→阪中市(大阪府の中部に当たるので)と名乗っていた。
  3. 紀宝町と鵜殿村は新宮市に合併されていた。
    • 本宮町も。
  4. 紀南が辺境の地と扱われている。
  5. 熊野三山が三重県に含まれるため、伊勢志摩と共同で観光キャンペーンなどをやっていた。
  6. 熊野交通は南海系列ではなく近鉄系列になっていた。場合によっては三重交通に吸収されていた。
  7. 北山村は飛び地の村ではなくなっていた。
    • こちらは熊野市に合併されていた。

中国・四国

  1. 鳥取市は県庁を失って実際よりさらに人口は少なく、兵庫県内だと豊岡高砂たつの市くらいの街になっている。
  2. 広島県は県の領域全体が西へスライドするという、第二次世界大戦後のポーランドのような状態となり、行政に混乱が起こる。
  3. 高松県ではなく、愛媛+香川、徳島+高知で四国2県になって27道府県になっていたかもしれない。
    • 名東県で一度失敗しているのにこの組み合わせは失策、いっそ四国でまとめた方が無難
  4. 鳥取市は県庁を失って実際よりさらに人口は少なく、兵庫県内だと豊岡高砂たつの市くらいの街になっている。
  5. しまなみ海道は既に瀬戸大橋有する岡山県が乗らないため建設までこぎつけない。
    • 同じく四国側が乗り気にならない神戸鳴門ルートも建設されない。
      • 高松県が「瀬戸大橋があるから鳴門大橋はそこまで欲しくない」という姿勢になる。
    • いやしまなみ海道の建設は史実通りなはず確か史実だと最低でも本州四国連絡橋は2本建設する予定になっていたので
  6. しまなみ海道は広島〜松山ルートだったかもしれない。江田島〜中島をがんばって架橋する。
  7. 広島空港は現実よりも広島市に近い場所に作られていた。
    • 場合によっては現実の岩国錦帯橋空港が広島空港になっていた。

九州

  1. 長崎県となった佐賀市鳥栖市唐津市などから長崎市まで遠すぎるため、県中央の武雄市などへの県庁移転議論が起こった。
  2. 鹿児島県となった延岡市などから鹿児島市までが遠すぎるため、中央の都城市などへの県庁移転論が起こった。
    • 一方で奄美では沖縄県への移籍運動が起こっていた。
  3. 九州新幹線の長崎ルートは全線フル規格になっていた。
  4. 福岡県となった壱岐や対馬では福岡市との交流がいっそう強くなり、かつて長崎県へ所属していたことが不思議がられる。