資格試験

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情報系

技術系

医療・福祉・衛生系

医師国家試験

  1. 超難関資格である割に、合格率はかなり高い。その理由は明らかだが。
    • そのためか、医学部へ入るための浪人は多くいるが、上の「司法浪人」に相当するような人はあまり聞かない。
  2. 昔は春・秋の年2回実施されていたが、秋の試験で受かった医師、というとそれだけでちょっと、という空気もあったらしい。
  3. トラップ問題が必ず数個あり、俗に「禁忌肢」と呼ばれる。
    • これに設定された誤答を一定個数以上やらかしている場合、全体の点数がどれだけ良くても不合格になる。
    • 本当にその選択肢どおりに行動すると、症状が余計に悪化する、患者の人権を著しく侵害する、そもそも違法行為、と言った内容。

登録販売者試験

  1. 世間一般的には薬剤師の下位互換と思われがちだが、薬局では一般の店員よりも給料が高く設定されている。
    • そもそも薬剤師不足を補うために作られた資格だし。
  2. 薬剤師と違って学歴による受験資格の制限は無い。
  3. 昔は比較的簡単に取れる資格だったらしいが、近年は難易度が上昇傾向にある。
    • 難易度的には危険物取扱者の乙4よりは難しく、甲種よりはやや易しい、という感じ。
  4. 実は国家資格ではなく、都道府県の認定資格(公的資格)である。
    • 試験実施日が各都道府県ごとに異なるのはこのため。
  5. 業務独占資格であり需要もあるので就職・転職には強い。
  6. 資格保有者は一般用医薬品(市販薬)のうち、第2類医薬品および第3類医薬品の販売を行うことができる。
    • ドラッグストアだけでなく、コンビニエンスストアなどのお店でも医薬品が買えるようになったのは、登録販売者制度が設けられたからである。
      • なので、就職先としてドラッグストア以外の小売店を選ぶという道もある。
    • 薬局で調剤される処方箋医薬品や、一般用医薬品でも第1類医薬品(特に副作用に注意が必要な市販薬。具体例:鎮痛剤のロキソニン、花粉症治療薬のアレグラなど)の販売は薬剤師が行う。

薬剤師国家試験 

  1. 試験問題に『物理』がある。
    • 化学や生物に比べて苦手な人も多いのではないだろうか?
  2. 難関資格の割には多くの私立薬科大学では合格率が高い。これは出来の悪い学生を卒業させないように絞っているからである。
    • 逆に国公立大学の薬学部では低い。例えば東大薬学部生の薬剤師国家試験の合格率は40〜50%程度だ。
  3. 高校で物理を履修していなかった人は先述の物理科目の他、薬剤学でも苦労しているイメージが強い。
    • 逆に高校で生物を履修していなかった人は生物科目、衛生学、薬理学、病態学で苦労する傾向があるが、こちらは物理未履修組に比べるとまだマシか。

衛生管理者試験

  1. 社員の健康管理や職場環境の改善などが主な仕事。従業員50人以上の会社では必ず最低でも1人は有資格者を置かなければならない。
    • 従業員200人以上ならば最低2人以上、従業員500人以上ならば最低3人以上、従業員1000人以上ならば最低4人以上の衛生管理者が必要である。
  2. 第一種と第二種がある。
    • 工業や農業、運送業、医療などの危険な作業が多い業種では第一種が必要。
    • 商業、サービス業なら第二種でもOK。
  3. 毎月試験が実施されるため受験のチャンス自体は多いのだが、会場がとても少ないのがネック。
    • しかも会場は大都市に無い。
  4. 受験の条件として「実務経験の年数」がある。大卒・短大卒・高専卒の場合は1年以上、高卒・専門卒の場合は3年以上の実務経験が必要。
    • 中卒の場合は10年以上の実務経験が必要。
    • 未成年者、学生の受験はほぼ不可能である。
    • 受験資格が厳しいように見えるが、職場の清掃や机の周りの整理整頓なども実務経験とみなされる。
  5. 試験では労働衛生、労働生理、関連法令の3科目が課される。
    • それほど難易度が高く無いと思われがちだが、一般常識だけで合格できるほど甘くは無く、高校の理科(化学、生物)の基礎レベルの知識が無いと正直厳しい。
    • 労働生理では感染症や食中毒に関する問題も出題される。
  6. 第一種試験では有害業務に関する範囲が含まれるが、第二種試験では除外される。
    • 有害業務がある分、第一種の方が第二種より難しい。
  7. 医師、歯科医師、薬剤師、保健師は試験に合格しなくとも自動的に衛生管理者の免許がもらえる。
    • 学校の保健体育の先生もね。
  8. 工業系の職場ではこの資格が昇進の必須条件となっている場合もある。
  9. 社内での評価アップに繋がる資格だが、転職に強い資格かと聞かれると正直微妙。
  10. 船乗り向けに「船舶衛生管理者」という資格が別に存在する。長期間陸上生活から離れる特殊な業種だからである。
    • さらに言うと、衛生や労働環境に関することは基本的に厚生労働省の持ち分ながら、船舶業に関することが国土交通省の持ち分だという事情による。要は似通った仕事であっても船が絡むと部署違いになるというワケ。
  11. 食品衛生管理者、食品衛生責任者は全く別の資格。
  12. 第一種衛生管理者試験の合格率は例年40〜50%である。
    • しかし一発合格率は20〜30%程度と低く、一発合格を狙うのであればなかなかの難関国家資格であるとも言える。多くの合格者は何回も挑戦して合格している。

介護支援専門員実務研修受講試験

  1. 名称だけ見ても何のことやら? だが、大雑把に言うと「ケアマネージャー」の資格試験である。
    • 最終的な資格の認定は都道府県が行う研修によるのだが、その研修への参加要件を獲得するための試験、というわけ。
    • 介護サービス提供計画の策定や、自治体・他種の福祉事業者との調整において責任者となるため、高齢者・障害者介護に関する資格では最上位に相当する。
  2. 受験の要件を満たすだけでも、かなり遠大な道のりである。
    • 介護保険法施行規則113条の2に列挙された21種類の医療・福祉系資格の少なくとも1つを持ち、実務経験を5年以上有することが必要。
    • 2018年以降は、高齢者・障害者を対象とする自立支援相談業務の経歴を含むことも必須になった。
    • なお、だいたい半分の合格者は介護福祉士としての職歴で要件を満たしている。
  3. 社会的な需要に比して、受験者数は減少傾向にある。
    • 収入が、資格を得るハードルの高さや職務上の責任の重さに釣り合っていない、と見る向きが強くなっているからと思われる。

看護師国家試験

  1. 医師や薬剤師と違って、一日で全ての科目を行う。
  2. 医師・歯科医師・薬剤師は大学の6年制の学科を卒業しなければ受験資格が与えられないが、看護師は4年制大学や3年制の専門学校でも受験資格を得ることが可能である。
    • 看護専門学校は看護大学に比べて詰め込み教育になりやすく、国家試験に合格できるレベルになるまで卒業させないため、かなりハードである。
  3. 受験者は当然ながら女性が多いが、男性もそこそこいる。
  4. 必修問題の足きりが非常に厳しく、80%以上正解しなければ不合格である。
    • 一般問題と状況設定問題のボーダーラインは例年60~70%程度である。

サービス系

調理師国家試験

  1. 業務独占資格ではなく、あくまで名称独占資格に留まる。そのため、この資格がなくても調理の仕事はできる。
  2. 学歴による受験資格の制限はない(厳密には一応存在するのだが、現代の日本では中学校までは義務教育なので、ほぼ全員が卒業できる)が、2年以上の実務経験が必要になる。
    • 実務経験の認定は厳しく、アルバイトやパートは原則認められない。
  3. 食文化概論、衛生法規、栄養学、食品学、公衆衛生学、食品衛生学、調理理論の7科目が課される。
  4. 飲食店を開業する際に必要なのはこの資格の保有者ではなく、食品衛生責任者である。
    • しかし調理師、栄養士、管理栄養士のいずれかの資格があれば、講習を受けなくても食品衛生責任者になれる。
  5. 特定の専門学校や一部の高校の学科(食物調理科など)を卒業すれば、試験を受けなくても自動的に調理師になることができる。
  6. ふぐ調理師、船舶料理士、製菓衛生師などの資格が別に存在する。
    • このうち、ふぐ調理師と船舶料理士は業務独占資格である。
  7. 国家資格の範疇には入るが、免許を与えるのは都道府県知事である。栄養士や管理栄養士、ふぐ調理師などと同じである。

美容師国家試験

  1. 合格率は60~80%と、国家試験の中では高い部類である。
    • しかし受験資格が厳しく、特定の2年制以上の専門学校(通信課程は3年制以上)を卒業しなければ受験資格がない。
  2. 筆記は3月と9月に、実技は1月と8月に実施される。
  3. 筆記試験は「法規・制度」「衛生」「感染症」「衛生管理技術」「人体」「皮膚科学」「物理・化学」「美容理論」の全8科目が課される。
    • 筆記のボーダーラインは6割程度と低いが、どれか1科目でも全問不正解があると不合格になってしまう。
  4. 美容師理容師は別の資格であるが、両者の境界線は曖昧になりつつある。
  5. 実技ではカッティングとセッティングの2つの課題か出される。
    • セッティングはワインディングとオールウェーブセッティングのどちらかが出題されるが、試験前にどちらを出題するかのアナウンスがある。

法学・経済系

司法試験

  1. 法曹三者になるための試験だが、これまで大きな制度改正を経てきている。
    • その改正論議を見ていると、関係各界(法曹界、産業界、官僚界など)の利害のぶつかり合いが大半。受験者のことはほんの片隅。
  2. 司法浪人、という階層まで生んだ。
  3. その受験対策指導だけで1つの産業が成り立っている。大学受験もそうだが。
  4. 現在、予備試験ルートという、本来は傍流の筈のコースが事実上の主流になってしまっている感がある。
  5. 英語圏では「Bar Examination」というが、飲み屋のマスターになるための試験ではない。
  6. これに合格すると法曹三者だけでなく、弁理士税理士、社会保険労務士、行政書士にもなれる。
    • つまり法律系試験の王様的存在である。
    • これに合格すると公認会計士試験も一部の科目が免除される。しかしその逆パターンは無い。

弁理士試験

  1. 司法試験の特許関連法限定区分のようなものである。
    • 実際、業務も特許関連限定の弁護士のようなものである(ちなみに、弁護士は弁理士の業務を行える)。
  2. マーク式問題→論述式問題→面接の順番で行われるのも司法試験と同じ。
    • マーク式問題と論述式の必須科目は特許法関連の問題で、論述式の選択科目は物理・化学・生物・情報の各分野と民法から選べる。
      • なお論述式の選択科目は、一部の国家資格を持っている者は免除される。対象となる資格は、修士号(理系または法学)、技術士、一級建築士、応用情報技術者、高度情報処理技術者、電験(一種または二種)、電気通信主任技術者、薬剤師、行政書士、司法書士、司法試験合格者である。
  3. 選択科目に理系分野の問題が出るため、理系向けの資格試験と呼ばれている。
  4. 最も有名な合格者は、おそらく菅直人さんだろう。

社会保険労務士試験

  1. 労働保険、社会保険の専門家(スペシャリスト)。通称「社労士」。
    • 業務独占資格であり、有資格者は企業からの依頼を受けて社会保険に関する仕事を代行することができる。
  2. 学歴による受験資格の制限があり、大学・短期大学・高等専門学校のいずれかを卒業していない者には原則、受験資格が与えられない。
    • 専門学校は国に認可された学校のみ可。
    • 高卒や中卒の場合、行政書士や司法書士など一部の国家試験に合格した場合のみ受験資格が貰える。しかし殆どが難関国家資格であり、下手な大学を卒業するよりも取るのが大変である。
  3. 難関国家資格であるが、意外にも午前・午後共に完全マークシート方式である。
    • しかし各設問ごとに足切りが設定されているのが罠で、総合得点が合格基準以上であっても足切りで地獄を見る受験者が非常に多い。
  4. 難易度を他の士業と比較すると、行政書士よりは高く、弁理士・税理士などよりは低いという感じである。
  5. 弁護士の資格を持っていれば、試験を受けなくても自動的に社労士の資格も手に入る。

ファイナンシャル・プランニング技能検定

  1. こんな名前だが国家試験であり、合格者にはファイナンシャル・プランニング技能士の称号が与えられる。
    • 業務独占資格ではなく、あくまで名称独占資格に留まる。
  2. ファイナンシャル・プランナー(FP)は職業の名前であり、必ずしもこの資格の有資格者のことを指すわけではない。
    • また、この資格以外にも、FPとしての能力を測定する民間試験がいくつか存在する。
  3. 一般的に同じ級数なら日商簿記検定より簡単と言われている。
    • だが1級だけ飛び抜けて難しいのは日商簿記と同じである。
  4. お金に関する知識を身に付けるという観点ではとても良い試験である。就職に強い資格というわけではなく、実生活の役に立つ資格であると言える。
    • だが就職活動の観点で言えば(たとえ1級でも)これだけでは正直弱い。日商簿記や宅建士、行政書士、社労士、中小企業診断士などと組み合わせると強いかも。
  5. 学科と実技がある。
    • 3級は学科、実技ともにマークシート方式。学科は2択または3択、実技は全て3択問題である。
    • 2級は学科は4択のマークシートだが、実技は記述式で計算問題もある。
    • 1級は学科にも記述問題が含まれる。
  6. 実技試験の実施団体は金融財政事情研究会(きんざい)と日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会の2つがある。どちらかを選択して受験することになる。
    • 傾向としては、きんざいは市販の問題集に忠実な問題が、FP協会は新聞の経済ニュースをテーマにした問題が出題されやすいと言われている。
    • 問題数はFP協会の方が多いが、難しい問題はきんざいの方が目立つ。
    • 1級の実技はきんざいとFP協会で形式が大きく異なる。きんざいは面接試験、FP協会は論述問題を含む筆記試験である。

中小企業診断士試験

  1. 簡単に言ってしまうと、中小企業に対して経営に関するアドバイスを行う、コンサルタントの資格である。
  2. 業務独占資格ではなく、あくまで名称独占資格に留まる。
  3. この資格を持っていても独立開業する人間は少なく、企業内診断士として働く者も多い。
  4. 第一次試験と第二次試験の2段階で合格者を絞り込む。
    • 第二次試験は第一次試験の合格者のみ受験できる。なお第一次試験の合格は翌年度まで有効である。
  5. 第一次試験では経済学(政策含む)、財務会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営の7科目が課される。
    • 第一次試験はマークシート方式である。
    • 科目合格制度が翌々年度まで有効になっている。
    • 他の国家資格を持っていることで科目免除が認められる場合がある。
      • 公認会計士試験の合格者(論文試験で経済学を選択した場合のみ)、不動産鑑定士、経済学博士は診断士試験の一次の経済学が免除になる。
      • 公認会計士または税理士の資格を持っていれば、診断士試験の一次の財務会計が免除になる。
      • 弁護士の資格を持っていれば、診断士試験の一次の経営法務が免除になる。
      • 技術士(情報工学部門)や応用情報技術者などの資格を持っていれば、診断士試験の一次の経営情報システムが免除になる。
  6. 第二次試験は論述式4科目と面接が課される。
    • 論述式で課されるのは「組織・人事」「マーケティング・流通」「生産・技術」「財務・会計」の4科目である。

アクチュアリー試験

  1. アクチュアリーになる資格を持つためには、この試験に合格しなければならない。
    • アクチュアリーは日本語で保険数理士と呼ばれ、ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価に関する専門家である。
    • 元々はイギリス発祥の職業であり、有資格者は主に生命保険、損害保険、年金などの分野で活躍すると言われている。
  2. 国家資格ではないのだが、試験の難易度、資格の価値ともに、並の国家資格よりも遥かに高い。
  3. 合格するためには高度な数学・統計学のスキルが必要である。
    • そのため、文系資格であるにもかかわらず、有資格者は理学部数学科などの出身者が多い。
  4. 試験は一次試験と二次試験がある。
    • 一次試験は「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」の5科目が課される。
      • 科目合格制度が認められているため、一度に全科目に合格する必要はない。
    • 二次試験では生保、損保、年金の各コースの中から1つを選択して受験する。一次試験に比べてより実務的な内容になっている。
  5. 受験資格は大学3年生以上が原則である。
  6. 国家試験ではないが超が付くほどの難関試験であり、資格取得にかかる期間は平均8〜9年と言われている。尋常じゃないボリュームである。
    • 一応最短だと2年で取得できるらしいが、よほど飛び抜けた才能があって、並外れた努力ができるという条件付きである。
    • 一説では司法試験や公認会計士試験をも超える難易度とも。

税理士試験

  1. 最終的な合格は、会計学2科目(簿記論、財務諸表論)と税法3科目の合計5科目に合格した場合に認められる。
  2. 司法試験ほどではないが、学歴による受験資格の制限が厳しい。公認会計士試験との大きな違いである。
    • 「大学、短期大学、高等専門学校で法律または経済学の科目の単位を1つ以上修得して卒業する」「大学の法律または経済学の科目を62単位以上修得する」「日商簿記検定1級または全経簿記能力検定上級に合格する」のいずれかが必須条件。
      • 高卒や専門卒の場合、最後の検定試験(日商簿記1級または全経上級)の合格でしか受験資格を満たせないため、非常にハードルが高い。まあ、日商簿記1級よりかは、まだ全経上級のほうが楽かもしれないが、、、、、
      • 最初の条件は理系の大学の出身者にとっては罠に見えるかもしれないが、一度卒業した後に通信制大学で法律や経済学に関する科目を1つだけ修得するという方法もある。
  3. 税法は選択必修科目1つ(所得税法または法人税法)と選択科目2つに合格する必要がある。
    • 選択科目は相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税の7科目が用意されている。そのうち、消費税と酒税はどちらか片方しか選択することができない。また、住民税と事業税もどちらか片方のみ受験できる。
      • 勉強時間的には国税と酒税が比較的少なく、逆に相続税と消費税が多いと言われている。ただし、勉強時間だけを見て科目選択をするのではなく、税理士になった後のキャリアプランもよく考えて受験すべきである。
  4. 半永久的に有効な科目合格制度があることで有名である。そのため一度に5科目受験する必要は全くなく、「1回の試験で1科目だけ受験する」というのを繰り返して何年もかけて最終合格を目指すというのが可能である。
    • そのため、難関国家資格ではあるが、ちゃんと計画を立てて勉強すれば働きながらでも合格を狙うことができる。
  5. 5科目を一発で合格できた人間は非常に少ない。
    • というのも税理士試験に一発合格できる実力を有する者は、最初から合格時のメリットがより大きい公認会計士試験や司法試験を目指すからである。税理士試験が会計士試験や司法試験より難しいというわけではない。
      • とはいえ、税理士試験も超が付くほどの難関国家試験の一つであることには変わりはないのだが、、、、、
  6. 1科目だけでもかなり重く、行政書士並みに勉強量が多い。科目合格制度があるのがまだ救いだが、、、、、
    • 資格の価値は「税理士1科目合格≒日商簿記1級」と言われており、1科目だけでも価値が高いことがわかる。
  7. 税理士試験の簿財と日商簿記検定1級はどちらがより難しいかは受験者によって意見が分かれる。
  8. これに合格すると税理士だけでなく、行政書士にもなれる。
  9. しばしば公認会計士試験と比較されるが、一般的には「会計士は質の勝負、税理士は量の勝負」と言われている。また、「会計士は短距離走、税理士はマラソン」という例えもある。
  10. 弁護士または公認会計士の有資格者は、この試験を受けなくても自動的に税理士にもなれる。

行政書士試験

  1. 税理士や社労士などと違って学歴による受験資格の制限はなく、高卒や中卒でも受験できる。
    • しかし合格者のほとんどは大卒であるというのが現実である。
  2. 配点の8割以上が法令科目であり、基礎法学、憲法、行政法、民法、商法の知識が問われる。
    • 基礎法学の問題は高校の公民(現代社会)よりも遥かに難易度が高く、大学の法学部で勉強するような内容である。基礎という名前ではあるが決して簡単ではない。むしろ出題範囲が広いため他の分野より難しい説すらある。
  3. 法律試験ではあるが、配点の2割ほどは一般知識に関する問題である。
    • 一般知識では「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解(現代文)」が課される。
      • 一般知識とはいえ「政治・経済・社会」は高校の公民(現代社会)よりも遥かに難易度が高く、大学の法学部で勉強するような内容である。
    • 一般知識にも足切り制度が存在するため、配点が小さくても思わぬ強敵になり得る。
  4. 解答形式はほとんどが5択で、記述式の問題も一部存在する。
    • 昔あった小論文は平成12年(2000年)以降は廃止されている。
  5. 8士業の中では最も簡単と言われることが多いが、それでも難関国家資格であることには変わりはない。合格に必要な勉強時間は宅建士試験の3倍以上とも言われている。

不動産系

不動産鑑定士試験

  1. 8士業の一角であり、不動産関係では最高峰の資格であると名高い。
  2. この資格を持っていれば、専門家として不動産の価格を評価することができる。
  3. 司法試験、公認会計士試験と並ぶ最難関級の文系国家試験と呼ばれることもあるが、現実はその2つより1ランク下である。
  4. 合格するのに必要な勉強時間は宅建の10倍以上と言われている。
  5. 試験は短答式と論文式の2段階がある。論文式試験は短答式試験の合格者のみ受験資格がある。
    • 短答式試験の合格者は、その年の翌々年まで短答式試験が免除される。
  6. 短答式試験では行政法規と鑑定評価の2科目が課される。
    • 行政法規だけでも宅建を超えるボリュームである。
  7. 論文式試験では民法、経済学、会計学、鑑定評価(演習)、鑑定評価(論文)の5科目が課される。
    • 司法試験の合格者は民法が、公認会計士試験の合格者は会計学と「会計士試験に合格したときに選択した科目」が免除される。
  8. 短答式試験が終わってから2ヶ月以上経ってから論文式試験が実施されるが、短答式試験が終わってから論文式試験の対策を始めたのではとても間に合わない。短答式と論文式の両方を同時並行で勉強する必要がある。
    • 鑑定評価はかなりの曲者で、数学が苦手だと苦戦は必至だろう。
  9. 論文式試験に合格してもすぐに不動産鑑定士を名乗ることはできず、研修(実務修習)を受けて修了試験に合格する必要がある。
    • その研修も曲者で、最低でも1年以上かかる上に受講料もかなりの高額である。

土地家屋調査士試験

  1. 8士業の一角だが、行政書士や司法書士などに比べて影が薄い。まあ海事代理士よりはマシな気もするが、、、、、
  2. 不動産系資格としては難易度・社会的評価ともに不動産鑑定士に次ぐ2番手である。合格するのに必要な勉強時間は宅建の3倍以上とも。
  3. 試験は午前、午後、面接の3段階がある。
  4. 実は午前試験は免除制度がある。というか午前免除を使わないで合格するのは非常に困難である。
    • 測量士補、測量士、二級建築士、一級建築士のいずれかの資格を持っていれば土地家屋調査士試験の午前が免除される。
      • この中なら測量士補が一番オススメ。他の3つよりずっと簡単に取れる。合格率も40%くらいあり、工業高校生の合格者も多い。
        • ちなみに測量士補試験より、土地家屋調査士試験の午前の部の方が問題が難しい。
    • 午前では平面測量や作図の知識が、午後は主に民法や登記などの知識が問われる。
  5. 法律試験ではあるが、測量や製図の知識が必要になるため、理系に比較的有利な試験でもある。
  6. 午後の部でほぼ勝負が決まる。面接試験で不合格になってしまうのは非常に稀なケース。
    • 万が一面接で落ちてしまっても、翌年までは筆記試験(午前・午後)が免除される。

管理業務主任者試験

  1. 簡単に言ってしまうと、宅建士のマンション限定バージョンみたいなもの。
  2. 2001年(平成13年)に誕生した比較的新しい国家資格であるため、いまいち知名度が低い。
  3. より難易度の高い資格としてマンション管理士なんてのもあるが、出題範囲は重複する部分も多いため、ダブルライセンスを狙うのもアリ。
  4. 宅建試験に比べて出題範囲こそ狭いが、問われる知識の深さでは管業の方が一枚上手。

観光系

旅行業務取扱管理者試験

  1. 試験実施者が観光庁であるため、国家資格の範疇に入る。
  2. 「地域限定」「国内」「総合」の3種類に分かれており、提供できる旅行サービスの行先の範囲が変わる。
    • 左から右の順に範囲が広くなる。右に行くほど上位互換性があり、「総合」資格だけ持っていれば全部扱える。
    • 上位の資格試験を改めて受けようとする際、共通性の強い科目(関係法令など)は下位資格に合格済みであることによって免除される。
  3. 旅行代理店を営業する際、有資格者が必ず常勤者の中にいなければならない。
    • 管理職であることは必須条件にされていない。
    • 必要人数は少なくとも1名。勤務者が10名以上の場合は複数名の配置を求められるが、あくまでも観光庁による「行政指導」に留まる話。
  4. 「国内/海外旅行実務」の科目が、相当なくせ者。
    • 交通機関の正規運賃計算を行うのだが、今の時代、アナログ計算で発券などしないし、各交通機関が提供するパッケージ料金も多様化しているため、時代に即さないとの見方も。
    • 観光地理分野は、一般常識試験の範囲を超えた出題も多い。但し地理歴史マニアに有利と言う側面もある。
    • 「総合」を狙う場合は、当然に英語ができなければならない。
  5. なお、ツアコンとしての業務をするためには「旅程管理主任」という全く別の資格を取得しなければならない。
  6. 総合または国内の合格者(地域限定はダメ)は、全国通訳案内士試験の日本地理が免除になる。

全国通訳案内士試験

  1. 国土交通省の認定資格。語学検定としてはほぼ唯一の国家資格である。
    • 「ほぼ」と書いたのは、教員免許を国家資格に含める場合があるため。
  2. 語学のスペシャリスト資格というだけでなく、観光業のスペシャリスト資格でもある。
    • しかし昔のような業務独占資格ではなく、あくまで名称独占資格に格下げされてしまったので、昔ほど取得価値は高くない、とも。現在は通訳ガイドの仕事は通訳案内士の資格がなくてもできる。
  3. 試験は筆記5科目(外国語、日本歴史、日本地理、一般常識、実務)と面接があるが、どの科目も非常に難易度が高い。特に外国語の英語と面接は実用英検1級とほぼ同じくらいであり、日本歴史と日本地理は高校の地歴よりも遥かに難易度が高い。
  4. 時々、この試験の科目免除のためだけに大学入試センター試験を受験する人がいる。
    • センター試験の日本史Bで60点以上獲得すると、通訳案内士試験の日本歴史が免除になる。
    • センター試験の現代社会で80点以上獲得すると、通訳案内士試験の一般常識が免除になる。
  5. 旅行業務取扱管理者(総合または国内)の資格を持っている人は、通訳案内士試験の日本地理が免除になる。通訳案内士試験の日本地理は旅行業務取扱管理者試験より難易度が高いため、優先的に旅行業務取扱管理者の資格を取得しておきたいところ。
  6. 実用英検1級合格者またはTOEICで900点以上取った人は、筆記の英語が免除される。ただし面接は免除なし。
    • かつてはTOEIC840点でも免除対象になっていたのだが、英検1級に比べてあまりにもハードルが低すぎると批判を浴びたため、点数が引き上げられた。

その他

気象予報士試験

  1. 人気の高い国家資格ではあるが、これを持っていても人気アナウンサーになれる人間はほんの一握りである。
    • あくまで趣味の延長みたいな資格という位置付けである。
  2. 意外にも歴史は浅く、第一回の試験は1994年に実施された。
  3. 予報業務に関する一般知識、予報業務に関する専門知識、実技試験の3科目が課される。
    • 一般知識、専門知識はマークシート方式、実技試験は記述式である。
    • 一般知識と専門知識に関しては科目合格制度がある。
  4. 試験は北海道宮城東京大阪福岡沖縄で年2回実施される。
  5. 合格率5%程度の超難関資格だが、受験資格は設定されておらず、小学生の合格者もいる。

関連項目