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{{ | {{Pathnav|試験}} | ||
== | == 情報処理技術者試験の噂 == | ||
#一応国家試験ではあるが、合格しても独占業務(特定の資格を持ってないと出来ない特別な仕事)は特に無いため、厳密な意味での国家資格(免許)ではない。 | |||
# | #*ただしエンジニア系の公務員だと、情報処理技術者の有資格者しか採用しないケースがとても多い。 | ||
#* | #国家試験なので、他のIT資格に比べて受験料が安いのが魅力。更新制度も(一部の区分を除いて)無い。 | ||
#* | #*ただし特定企業の製品についての問題が出題できないため、実務ではあまり役に立たないという意見もある。 | ||
#*[[ | #「技術者」という名前であるが、開発側の人間だけでなく、一般利用者向けの区分もある。 | ||
# | #*具体的にはITパスポート試験と、情報セキュリティマネジメント試験。昔は初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。 | ||
# | #理系の試験と思われがちだが、マネジメントや経営戦略、法務などのビジネス系の問題も多い。 | ||
#* | #*エンジニアでもある程度勉強しないと受からないのはこのため。逆に文系なら得点源。 | ||
#*ビジネス系の問題が多いのは、経産省系の試験だからなのだろうか? | |||
#最近はセキュリティの問題が多い。 | |||
#*高校数学の問題も多い。ただし流石に大学受験よりは簡単。 | |||
#午前科目は4択マークシートであり、過去問の使い回しが多いことで有名。 | |||
#*ただし午後科目は長文問題で毎回テーマが変わるため、午前を丸暗記で突破したような人は地獄を見ることになる。 | |||
#*ITパスポートは過去問からあまり出ないため、人によっては基本情報技術者の午前より難しいともっぱらの噂。 | |||
#受験料が安いためか、当日欠席者も多い。 | |||
#*業界の特性上、突発業務で受験できなくなったという人も多い。 | |||
#試験そのものよりも、朝早く起きて会場に行くのが最難関の試験。 | |||
#年2回実施される上に試験区分がとても多いため、情報処理技術者試験を恒例行事としているITエンジニアも少なくない。 | |||
#*例年だと春(4月)と秋(10月)に実施される。 | |||
#合格者の認定は[[日本の省庁#経済産業省|経済産業省]]が行うが、試験そのものは[[独立行政法人]]情報処理推進機構(IPA)が実施している。 | |||
#各区分ごとに4段階のスキルレベル(難易度)が設定されている。最も難易度の低いITパスポート試験(iパス)はレベル1。基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)はレベル2。応用情報技術者試験(AP)はレベル3。 | |||
#*スキルレベル4の試験区分はかなり多くの種類があり、「高度情報処理技術者試験」と総称される。 | |||
#*ちなみにFEとSGは表向きは同じスキルレベル2なのだが、実際の難易度ではFEの方が明らかに高い。そのため、SGは実質レベル1.5とか言われたりもするらしい。 | |||
#iパス以外は午後科目で長文問題が課されるため、しばしば「現代文の試験」と呼ばれることもある。 | |||
#あらゆる国家試験の中でも合格証書が豪華であることで有名。 | |||
#*経済産業大臣の名前入り。 | |||
#免許資格ではないため、一度合格した区分を再度受験することも可能である。 | |||
#レベルが低い区分から順番に受験しなければならないというルールは無いため、極論を言ってしまえばITの初心者がいきなりレベル4の区分を受験しても構わない。実際に合格できるかどうかは別として。 | |||
#*受験者の年齢も問われないため、小学生でも受験できる。 | |||
#[[警察官|警察]]、[[自衛隊]]では情報処理技術者試験の合格者は意外と重宝される。 | |||
#情報処理技術者試験の合格を単位として振り替えることのできる大学も多い。([[東京の私立大学/あ~さ行#産業能率大学|産業能率大学]]など) | |||
#*また、商業高校や工業高校で在学中に情報処理技術者試験に合格すると推薦・AO入試に出願できる大学もある。 | |||
== | == 各試験区分の噂 == | ||
=== ITパスポート試験 === | |||
#ITパスポート試験は国家試験の中では比較的簡単な部類に入るが、それでも合格率は例年50%行くか行かないか程度。民間検定を含めた一般ユーザー向けのコンピュータの資格の中ではむしろ難易度が高い部類に入る。 | |||
#*特に高校生の合格率は40%を下回る。ビジネス系の問題で苦戦する子が多いため。 | |||
#*まあ内容が浅いとはいえ、範囲は広いからね、、、、、 | |||
#*一般ユーザー側(事務職など)ならITパスポート程度でも十分評価対象になり得る。履歴書にも堂々と書ける。だがIT業界ではやや弱い資格。 | |||
#**というかエンジニア志望の場合はITパスポートを履歴書に書いたらむしろマイナス評価になる可能性すらある。エンジニア志望なら最低でも基本情報技術者の資格が欲しいところ(本音は応用以上)。 | |||
#*情報検定(J検)の情報活用試験は1級でも合格率が50%以上、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)に至っては合格率80%だから、アマチュア向けのパソコンの資格としてはむしろ難関の部類に入る。 | |||
#ITパスポート試験のイメージキャラクターは「上峰亜衣」ちゃん。大手商社に勤務する女の子である。 | |||
#一時期、ITパスポート試験の受験者に初音ミクのクリアファイルが配布されていたことがあった。 | |||
#ITパスポート試験は国家資格としては初めて、CBT方式(会場のパソコン上で受験するタイプの試験)に移行した試験として有名。 | |||
#*ペーパー試験だった頃に比べて受験のチャンスが増えた反面、他の区分の午前科目のような過去問の使い回しが無くなったために難易度はむしろ上昇したとも言われている。 | |||
#*現在は基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験もCBTに移行している。 | |||
#昔はこの試験区分は無く、代わりに一般ユーザー向けの区分として初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。ただし初級シスアドは午前と午後の2部構成であり、合格率も30%程度しかないため、ITパスポートよりは難易度が高かったと言われている。 | |||
#パソコンの操作スキルを証明する資格としては使えないため、アピールするためには[[試験#Microsoft Office Specialist|MOS]]などと一緒に取得することが推奨される。 | |||
#一般ユーザー向けの試験だけあって技術系の問題の難易度は控えめ。むしろストラテジが鬼門。 | |||
#*ストラテジに限れば基本情報の午前よりもiパスの方が難しいという意見も多い。 | |||
#文系の大学生ならば、[[運転免許証|自動車の運転免許]]やTOEIC、[[日商簿記検定]]などと並び取っておきたい資格の一つである。 | |||
#*勿論、文系でもエンジニア志望の場合は基本情報技術者(FE)の資格が欲しいところ。 | |||
#ここに合格できれば基本情報技術者試験で4割程度得点できるとか。つまり、ここで勉強したことが使えるということである。 | |||
== | === 情報セキュリティマネジメント試験 === | ||
#最近始まった情報セキュリティマネジメント試験は表向きは基本情報と同じ階級とされているが、数学や開発に関する問題が少ないため、実際の難易度は基本情報よりだいぶ低い。 | |||
#*初回の合格率は80%以上であり、国家試験とは思えないほど合格率が高かった。運転免許でもここまで高くない。 | |||
#**最近は合格率50%程度に落ち着いてはいるが、それでも十分高い。 | |||
#*ただし開発系の問題が少ない分、マネジメントに関する問題が強化されている。また、基本情報と違って午前免除が無いのと、午後の問題文がめちゃくちゃ長いため、人によってはむしろ基本情報より苦戦する場合もある。 | |||
#*歴史が浅い試験だからか、午前は過去問の使い回しがあまり無く、午前免除制度も無いため、基本情報とはまた違ったベクトルの難しさがあるイメージ。 | |||
#一度だけ午後のボーダーラインが引き下げられたことがある。本来は60点が合格基準点だったのが、2019年秋の試験のみ46点に引き下げられた。 | |||
#*アマチュア向けの試験にしてはあまりにも問題が難し過ぎて、そのままの基準だと(最低レベルとはいえ一応プロレベルの)基本情報と同じくらいにまで合格率が下がってしまうため、特例で基準点を下げることとなった。 | |||
#昔は一般ユーザー向けのセキュリティに関する区分として情報セキュリティアドミニストレータ試験(セキュアド)なんてのもあった。ただし難易度は今のセキュマネよりもずっと高かったとか。 | |||
#*セキュアドは年1回しか試験がなく、午後が記述式だったため。 | |||
#出題範囲が狭く、経営戦略に関する問題があまり出ないため、人によってはITパスポートより簡単らしい。 | |||
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== | === 基本情報技術者試験 === | ||
# | #基本情報技術者試験は新人のプログラマーや情報系の大学生には「とりあえず取っておけ」と言う資格の一つ。 | ||
# | #*情報系の学科の出身者が多いが、最近では文系学部出身の受験者も少なくない。 | ||
#*基本という名前ではあるが、それでも合格率は20%程度しかなく、難関国家資格の一つ。 | |||
#**曲がりなりにも情報系の大学の1~2年次で学習するような内容が出題されるから、国公立大学や早慶上理GMARCH関関同立クラスの難関私立大学に通っているような学生でも、舐めてあまり勉強しないで受験すると普通に落ちてしまう程度には難しい。 | |||
#**高校生でこれに合格できたら新聞に名前が載るレベル。 | |||
#*ただしIT業界では入社3年目までに基本情報を取得できなければ、資質を疑われてしまうことも、、、、、 | |||
#*一応プロ向けの試験なんで、アマチュア向けのセンター試験の情報関係基礎よりは難易度が高い。 | |||
#基本情報技術者試験の午後はアルゴリズムとプログラミングが必須問題であり、難易度も高く配点も大きい。 | |||
#*ただしマークシートなので適当に選んでも数問程度は正解できるのがまだ救いか。 | |||
#*プログラミングはC言語、Java、Python、アセンブラ、表計算ソフトの中から1つ選択して解答する。Pythonは最近追加。昔はCOBOLがあったが廃止された。 | |||
#**実は試験に出題される言語のチョイスは時代の流れに合わせて変えられている。Pythonを追加する代わりにCOBOLを廃止したのも時代の流れ。ちなみに昔の第二種情報処理技術者試験にはALGOL、PL/I、FORTRANもあった。 | |||
#**Pythonは構文が非常に単純(JavaのclassやC言語のmain関数が不要など)だが、新しい分過去問演習がしにくそう。 | |||
#*アセンブラはCASLという架空の言語が出題される。 | |||
#**構文が単純であり、覚えることも少ないため、人によっては表計算より簡単という噂も。 | |||
#*表計算は簡単と思われがちだが、マクロ(アルゴリズム)の問題があり、問題文も長いため、意外と難易度が高い。 | |||
#*実はプログラマー向けの唯一の国家資格である。応用情報などでは必須問題じゃないため。 | |||
#*セキュリティも必須解答だが、こちらは難易度があまり高くないため心配ない。 | |||
#基本情報技術者試験には午前免除制度がある。特定の学校に通っている人は修了試験に合格すれば、一定期間、午前科目が免除される(午後のみ受験でOK)という仕組みである。 | |||
#*自動車の運転免許で例えるならば、実技は教習所で修了して、試験会場では学科だけ受ける、みたいな感じである。 | |||
#*社会人でも利用できなくはないが、講座の受講料は結構高い。 | |||
#*ただし午前免除にはデメリットもある。修了試験を丸暗記で突破した人は午後の長文問題で苦戦する可能性が高い。また、午前免除を使って基本情報技術者試験に合格した人は応用情報でかなり苦労するらしい。 | |||
#*この認定講座、ほとんどは情報処理系の専門学校で実施されている。だから多くの情報系の専門学校では学生に積極的に基本情報を受験させる。 | |||
#**俺が通っていた専門学校では情報系の学科の学生は全員強制受験だった。そのためやる気のない者も相当受けさせられている。 | |||
#***うちの専門学校(2年制)では卒業までに基本情報に合格できたのは(俺含め)クラスの上位3割以内の人間だけだった。卒業までに3回受験できることを考慮すれば、1回あたりの合格率で言えば全国平均よりも低い。 | |||
#*一部の大学(主に情報系や経営学部など)でも認定講座が開設されている場合がある他、稀に工業高校や商業高校でも認定講座を受講することができる場合がある。 | |||
#昔は第二種情報処理技術者試験と呼ばれていた。 | |||
#実は表計算は元々は基本情報技術者試験には出題されておらず、初級シスアドという昔あった別の試験区分から移行してきた分野である。 | |||
#2009年以降はストラテジと呼ばれるビジネス系の分野が午前で出題されるようになり、多くのエンジニアを泣かせることになった。また、午後の選択問題でもストラテジが出題されるようになった。 | |||
#*これも元々は初級シスアドで重点分野となっていた。 | |||
#**このため、現役のエンジニアやプログラマーの場合はむしろ午後より苦戦するとのこと。 | |||
#*ただしこのストラテジと表計算のおかげで、文系でも比較的合格しやすい試験になった、とも言える。 | |||
#中途でIT業界を狙う場合はこの資格がほぼ必須と思って良い。 | |||
#*大手企業だと新卒であっても入社前にこの資格の取得を義務付けている場合がある。 | |||
#*公的機関(官公庁、警察、自衛隊など)の情報系の部署だと、この試験またはより上位の区分に合格していることを採用条件として課している場合が多い。 | |||
#ITパスポートは参考書が1冊で済むが、この試験だとそうもいかない。午前巻・午後(アルゴリズム)巻・午後(プログラミング)巻の最低3冊になるとか。 | |||
#*表計算、CASL、C言語についてはだいたいどこの書店でも販売されているが、Javaのテキストは百貨店か大型ショッピングモールにでも行かないとなかなか手に入らない。 | |||
#*「参考書の著者は誰が良い(わかりやすい)か」がしばしば議論される。 | |||
=== | === 応用情報技術者試験 === | ||
* | #応用情報技術者試験は午前免除が無く、午後が記述式である。 | ||
# | #*ただし応用情報技術者試験の午後はセキュリティ以外は全部選択問題。例えばアルゴリズムを回避して、ビジネスに関する問題で固めるという攻略法もあるため、文系ならむしろ基本情報より簡単説もある。 | ||
#**実際、基本を飛ばしていきなり応用を受けて合格する人もいる。 | |||
#*昔のソフトウェア開発技術者試験では午後のアルゴリズムが必須だった。しかも記述式。 | |||
#**ソフ開は午前、午後1、午後2の3部構成であり、特に午後2は複雑なアルゴリズムやSQLが出題されていたため、難易度が非常に高かった。 | |||
#最初は第一種情報処理技術者試験という名前で、21世紀に入ってからソフトウェア開発技術者試験に改称、2009年に応用情報技術者試験に名前が変わった。 | |||
#これに合格すると弁理士国家試験や中小企業診断士試験の科目免除の特典を受けることができる。 | |||
#この試験に合格すると、文系の超難関国立大学である[[一橋大学]]の商学部、社会学部の推薦・AO入試の出願資格が得られる。実際に合格できるかどうかは別として。 | |||
#基本情報との難易度の差は実はそれほど大きくないのだが、社会的評価はだいぶ差があるため、比較的コスパが良い資格であると言える。 | |||
=== | === 高度情報処理技術者試験 === | ||
# | #応用情報技術者試験の更に上の階級で、高度情報処理技術者試験というのもある。一つの区分では無く、複数の区分の総称である。 | ||
#* | #*主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。 | ||
# | #**後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。 | ||
#* | #***論文が課される区分:システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)、ITサービスマネージャ(旧システム運用管理エンジニア)、システム監査技術者 | ||
#*高度の各区分は原則として、4月と10月のどちらか年1回しか実施されない。(基本情報などは年2回実施) | |||
#*ちなみに基本情報と応用情報の差よりも、応用情報と高度の差の方が遥かに大きいらしい。 | |||
#*高度情報処理技術者試験の各区分は専門分野に特化した試験であり、出題範囲は応用情報までと比べて狭いが、その分、モノ凄く深い内容まで突っ込まれる。 | |||
#*後述のセキュリティスペシャリストを除いて、どの区分も受験者は少ない。特に組み込みシステムみたいな特殊な分野だと尚更。 | |||
#午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成である。 | |||
#*時々、午前1で不合格になってしまう人を見かける。出題内容自体は浅いが範囲がとても広いため。厳密には専門分野の知識を測定するのは午前2以降となる。 | |||
#*午前1で落ちるのはマジで勿体ないので絶対に避けるべき。ただし午前1は科目合格(免除)制度もあるため、午前1だけ受けて途中で帰る、なんて作戦もアリ。 | |||
#**応用情報の合格者も高度の午前1が免除される特典がある。 | |||
#意外にもアルゴリズムに特化した高度区分は現在は存在しない。 | |||
#*昔はプロダクションエンジニアという区分があったが、21世紀に入る前に廃止された。 | |||
#かつてはユーザー向けの高度区分も存在した。情報セキュリティアドミニストレータ(セキュアド)と上級システムアドミニストレータ(上級シスアド)だ。 | |||
#*セキュアドは難易度を大幅に下げて、情報セキュリティマネジメント(セキュマネ)として事実上復活している。 | |||
#*上級シスアドは論文課題があったため、ユーザー向けとは思えないくらい非常に難易度の高い試験だったとか。 | |||
#かつては一部の区分(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、上級シスアド)がスキルレベル5に指定されていたが、現在はスキルレベル4に統一されている。 | |||
==== | ==== ネットワークスペシャリスト試験 ==== | ||
# | #昔はオンライン情報処理技術者試験と呼ばれていた。高度の中では比較的歴史の長い区分である。 | ||
#* | #業界ではしばしばネスペと略される。 | ||
#* | #*テクニカルエンジニア時代はテクネと呼ばれることもあった。 | ||
#覚えることがとても多いため、しばしば「論文課題が無い区分としては最難関」と言われる。 | |||
#*実際、ネットワークセキュリティに関する問題は、情報処理安全確保支援士試験のそれより難易度が高いそうだ。 | |||
#テクニカルエンジニア時代は1ランク下のソフトウェア開発技術者を飛ばしてテクネを受験する人も少なくなかったとか。 | |||
#*インフラ系のエンジニアの場合、アルゴリズムやSQLが苦手だとソフ開にはなかなか合格できないため、ソフ開を飛ばした方が対策しやすかったと言われている。 | |||
#インフラ系のエンジニアなら電気通信主任技術者や工事担任者と並び取っておきたい資格の一つ。 | |||
#*シスコシステムズの認定資格もね。 | |||
==== | ==== データベーススペシャリスト試験 ==== | ||
# | #高度区分の一つ、データベーススペシャリスト試験は技術的な知識よりも国語力の勝負と言われることが多い。 | ||
# | #民間資格のオラクルマスターとは出題傾向が異なるため、オラクル持ちでも合格するのは簡単ではない。 | ||
#* | #*でも実務で役に立つのはオラクルマスターの方だと思う。 | ||
=== | ==== エンベデッドシステムスペシャリスト試験 ==== | ||
#組み込みシステムに特化した区分で、おそらく情報処理技術者試験の中で最もマイナーな区分。 | |||
# | #*受験者数は情報処理技術者試験の全区分の中で最も少ない。 | ||
#* | #*他の区分のテキストはあっても、エンベデッドのテキストは売っていないなんて本屋も多いのでは? | ||
#* | #情報処理技術者試験としては珍しく、電子回路や電気の知識が要求される区分。 | ||
# | #*そのため、受験者のほとんどは大学の工学部や高等専門学校(高専)、工業高校などの出身者である。 | ||
#*モータの知識も必要だったりする。そのため、高校レベルの物理学、数学の知識も使う。 | |||
#出題テーマが非常に幅広く、ドローンや自動車の自動運転システムなどの他、観光案内用ロボットやコインパーキングなどがテーマになったこともある。 | |||
#* | #昔はマイコン応用システムエンジニア試験と呼ばれていた。 | ||
#* | |||
# | |||
# | |||
=== | ==== 情報処理安全確保支援士試験 ==== | ||
# | #情報処理安全確保支援士は情報処理技術者の中で唯一の登録制の国家資格(免許)。 | ||
# | #*元々は情報セキュリティスペシャリスト試験という高度の区分の一つだった。高度の中で唯一、年2回実施されていたということで人気が高かった。 | ||
# | #*資格の維持費が高い割に独占業務が少ない、更新制度がある、などの理由で、試験に合格しても登録しない人も多いらしい。 | ||
#応用情報に合格した人が次に受ける試験は、ほとんどの場合これ。 | |||
#*他のスペシャリスト区分に比べて覚えることが少ない上に、年2回試験が実施されることから、高度の中では最も簡単と言われることが多い。しかしそれでも基本情報や応用情報と比べるとだいぶ難易度は高め。 | |||
#情報セキュリティスペシャリスト試験の前身はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験。この頃は年1回しか実施されなかった上に問題の難易度も支援士やセキスペ時代より高かった。 | |||
#*当時はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)がエンジニア向けのセキュリティの試験、情報セキュリティアドミニストレータがユーザー向けのセキュリティの試験と言われていた。 | |||
==== | ==== システムアーキテクト試験 ==== | ||
# | #1993年までは特種情報処理技術者試験、1994年から2008年まではアプリケーションエンジニア試験と呼ばれていた。 | ||
# | #実は高度の中で最古の区分である。 | ||
# | #昔は受験資格に年齢制限(25歳以上)があった。これは他の論文区分も同じである(区分によっては27歳以上)。 | ||
# | #*現在は年齢制限は存在しない。しかしそれでも実務経験のない学生や、経験の浅い若手社員が合格するのはほぼ不可能。 | ||
#特種、アプリケーション時代は午前、午後1、午後2の3部構成だった。2001年から2008年までは午前はシステムアナリスト試験やプロジェクトマネージャ試験との共通問題が出題されていた。 | |||
# | #*ソフトウェア開発技術者試験の合格者はアナリスト、プロマネ、アプリケーションの午前が2年間免除される特典があった。 | ||
#* | |||
== | == 関連項目 == | ||
*[[試験]] | |||
*[[IT]] | |||
*[[システムエンジニア]] | |||
{{デフォルトソート:しようほうしよりきしゆつしやしけん}} | |||
[[カテゴリ:試験]] | |||
[[ |
2021年7月31日 (土) 22:34時点における版
情報処理技術者試験の噂
- 一応国家試験ではあるが、合格しても独占業務(特定の資格を持ってないと出来ない特別な仕事)は特に無いため、厳密な意味での国家資格(免許)ではない。
- ただしエンジニア系の公務員だと、情報処理技術者の有資格者しか採用しないケースがとても多い。
- 国家試験なので、他のIT資格に比べて受験料が安いのが魅力。更新制度も(一部の区分を除いて)無い。
- ただし特定企業の製品についての問題が出題できないため、実務ではあまり役に立たないという意見もある。
- 「技術者」という名前であるが、開発側の人間だけでなく、一般利用者向けの区分もある。
- 具体的にはITパスポート試験と、情報セキュリティマネジメント試験。昔は初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。
- 理系の試験と思われがちだが、マネジメントや経営戦略、法務などのビジネス系の問題も多い。
- エンジニアでもある程度勉強しないと受からないのはこのため。逆に文系なら得点源。
- ビジネス系の問題が多いのは、経産省系の試験だからなのだろうか?
- 最近はセキュリティの問題が多い。
- 高校数学の問題も多い。ただし流石に大学受験よりは簡単。
- 午前科目は4択マークシートであり、過去問の使い回しが多いことで有名。
- ただし午後科目は長文問題で毎回テーマが変わるため、午前を丸暗記で突破したような人は地獄を見ることになる。
- ITパスポートは過去問からあまり出ないため、人によっては基本情報技術者の午前より難しいともっぱらの噂。
- 受験料が安いためか、当日欠席者も多い。
- 業界の特性上、突発業務で受験できなくなったという人も多い。
- 試験そのものよりも、朝早く起きて会場に行くのが最難関の試験。
- 年2回実施される上に試験区分がとても多いため、情報処理技術者試験を恒例行事としているITエンジニアも少なくない。
- 例年だと春(4月)と秋(10月)に実施される。
- 合格者の認定は経済産業省が行うが、試験そのものは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している。
- 各区分ごとに4段階のスキルレベル(難易度)が設定されている。最も難易度の低いITパスポート試験(iパス)はレベル1。基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)はレベル2。応用情報技術者試験(AP)はレベル3。
- スキルレベル4の試験区分はかなり多くの種類があり、「高度情報処理技術者試験」と総称される。
- ちなみにFEとSGは表向きは同じスキルレベル2なのだが、実際の難易度ではFEの方が明らかに高い。そのため、SGは実質レベル1.5とか言われたりもするらしい。
- iパス以外は午後科目で長文問題が課されるため、しばしば「現代文の試験」と呼ばれることもある。
- あらゆる国家試験の中でも合格証書が豪華であることで有名。
- 経済産業大臣の名前入り。
- 免許資格ではないため、一度合格した区分を再度受験することも可能である。
- レベルが低い区分から順番に受験しなければならないというルールは無いため、極論を言ってしまえばITの初心者がいきなりレベル4の区分を受験しても構わない。実際に合格できるかどうかは別として。
- 受験者の年齢も問われないため、小学生でも受験できる。
- 警察、自衛隊では情報処理技術者試験の合格者は意外と重宝される。
- 情報処理技術者試験の合格を単位として振り替えることのできる大学も多い。(産業能率大学など)
- また、商業高校や工業高校で在学中に情報処理技術者試験に合格すると推薦・AO入試に出願できる大学もある。
各試験区分の噂
ITパスポート試験
- ITパスポート試験は国家試験の中では比較的簡単な部類に入るが、それでも合格率は例年50%行くか行かないか程度。民間検定を含めた一般ユーザー向けのコンピュータの資格の中ではむしろ難易度が高い部類に入る。
- 特に高校生の合格率は40%を下回る。ビジネス系の問題で苦戦する子が多いため。
- まあ内容が浅いとはいえ、範囲は広いからね、、、、、
- 一般ユーザー側(事務職など)ならITパスポート程度でも十分評価対象になり得る。履歴書にも堂々と書ける。だがIT業界ではやや弱い資格。
- というかエンジニア志望の場合はITパスポートを履歴書に書いたらむしろマイナス評価になる可能性すらある。エンジニア志望なら最低でも基本情報技術者の資格が欲しいところ(本音は応用以上)。
- 情報検定(J検)の情報活用試験は1級でも合格率が50%以上、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)に至っては合格率80%だから、アマチュア向けのパソコンの資格としてはむしろ難関の部類に入る。
- ITパスポート試験のイメージキャラクターは「上峰亜衣」ちゃん。大手商社に勤務する女の子である。
- 一時期、ITパスポート試験の受験者に初音ミクのクリアファイルが配布されていたことがあった。
- ITパスポート試験は国家資格としては初めて、CBT方式(会場のパソコン上で受験するタイプの試験)に移行した試験として有名。
- ペーパー試験だった頃に比べて受験のチャンスが増えた反面、他の区分の午前科目のような過去問の使い回しが無くなったために難易度はむしろ上昇したとも言われている。
- 現在は基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験もCBTに移行している。
- 昔はこの試験区分は無く、代わりに一般ユーザー向けの区分として初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。ただし初級シスアドは午前と午後の2部構成であり、合格率も30%程度しかないため、ITパスポートよりは難易度が高かったと言われている。
- パソコンの操作スキルを証明する資格としては使えないため、アピールするためにはMOSなどと一緒に取得することが推奨される。
- 一般ユーザー向けの試験だけあって技術系の問題の難易度は控えめ。むしろストラテジが鬼門。
- ストラテジに限れば基本情報の午前よりもiパスの方が難しいという意見も多い。
- 文系の大学生ならば、自動車の運転免許やTOEIC、日商簿記検定などと並び取っておきたい資格の一つである。
- 勿論、文系でもエンジニア志望の場合は基本情報技術者(FE)の資格が欲しいところ。
- ここに合格できれば基本情報技術者試験で4割程度得点できるとか。つまり、ここで勉強したことが使えるということである。
情報セキュリティマネジメント試験
- 最近始まった情報セキュリティマネジメント試験は表向きは基本情報と同じ階級とされているが、数学や開発に関する問題が少ないため、実際の難易度は基本情報よりだいぶ低い。
- 初回の合格率は80%以上であり、国家試験とは思えないほど合格率が高かった。運転免許でもここまで高くない。
- 最近は合格率50%程度に落ち着いてはいるが、それでも十分高い。
- ただし開発系の問題が少ない分、マネジメントに関する問題が強化されている。また、基本情報と違って午前免除が無いのと、午後の問題文がめちゃくちゃ長いため、人によってはむしろ基本情報より苦戦する場合もある。
- 歴史が浅い試験だからか、午前は過去問の使い回しがあまり無く、午前免除制度も無いため、基本情報とはまた違ったベクトルの難しさがあるイメージ。
- 初回の合格率は80%以上であり、国家試験とは思えないほど合格率が高かった。運転免許でもここまで高くない。
- 一度だけ午後のボーダーラインが引き下げられたことがある。本来は60点が合格基準点だったのが、2019年秋の試験のみ46点に引き下げられた。
- アマチュア向けの試験にしてはあまりにも問題が難し過ぎて、そのままの基準だと(最低レベルとはいえ一応プロレベルの)基本情報と同じくらいにまで合格率が下がってしまうため、特例で基準点を下げることとなった。
- 昔は一般ユーザー向けのセキュリティに関する区分として情報セキュリティアドミニストレータ試験(セキュアド)なんてのもあった。ただし難易度は今のセキュマネよりもずっと高かったとか。
- セキュアドは年1回しか試験がなく、午後が記述式だったため。
- 出題範囲が狭く、経営戦略に関する問題があまり出ないため、人によってはITパスポートより簡単らしい。
基本情報技術者試験
- 基本情報技術者試験は新人のプログラマーや情報系の大学生には「とりあえず取っておけ」と言う資格の一つ。
- 情報系の学科の出身者が多いが、最近では文系学部出身の受験者も少なくない。
- 基本という名前ではあるが、それでも合格率は20%程度しかなく、難関国家資格の一つ。
- 曲がりなりにも情報系の大学の1~2年次で学習するような内容が出題されるから、国公立大学や早慶上理GMARCH関関同立クラスの難関私立大学に通っているような学生でも、舐めてあまり勉強しないで受験すると普通に落ちてしまう程度には難しい。
- 高校生でこれに合格できたら新聞に名前が載るレベル。
- ただしIT業界では入社3年目までに基本情報を取得できなければ、資質を疑われてしまうことも、、、、、
- 一応プロ向けの試験なんで、アマチュア向けのセンター試験の情報関係基礎よりは難易度が高い。
- 基本情報技術者試験の午後はアルゴリズムとプログラミングが必須問題であり、難易度も高く配点も大きい。
- ただしマークシートなので適当に選んでも数問程度は正解できるのがまだ救いか。
- プログラミングはC言語、Java、Python、アセンブラ、表計算ソフトの中から1つ選択して解答する。Pythonは最近追加。昔はCOBOLがあったが廃止された。
- 実は試験に出題される言語のチョイスは時代の流れに合わせて変えられている。Pythonを追加する代わりにCOBOLを廃止したのも時代の流れ。ちなみに昔の第二種情報処理技術者試験にはALGOL、PL/I、FORTRANもあった。
- Pythonは構文が非常に単純(JavaのclassやC言語のmain関数が不要など)だが、新しい分過去問演習がしにくそう。
- アセンブラはCASLという架空の言語が出題される。
- 構文が単純であり、覚えることも少ないため、人によっては表計算より簡単という噂も。
- 表計算は簡単と思われがちだが、マクロ(アルゴリズム)の問題があり、問題文も長いため、意外と難易度が高い。
- 実はプログラマー向けの唯一の国家資格である。応用情報などでは必須問題じゃないため。
- セキュリティも必須解答だが、こちらは難易度があまり高くないため心配ない。
- 基本情報技術者試験には午前免除制度がある。特定の学校に通っている人は修了試験に合格すれば、一定期間、午前科目が免除される(午後のみ受験でOK)という仕組みである。
- 自動車の運転免許で例えるならば、実技は教習所で修了して、試験会場では学科だけ受ける、みたいな感じである。
- 社会人でも利用できなくはないが、講座の受講料は結構高い。
- ただし午前免除にはデメリットもある。修了試験を丸暗記で突破した人は午後の長文問題で苦戦する可能性が高い。また、午前免除を使って基本情報技術者試験に合格した人は応用情報でかなり苦労するらしい。
- この認定講座、ほとんどは情報処理系の専門学校で実施されている。だから多くの情報系の専門学校では学生に積極的に基本情報を受験させる。
- 俺が通っていた専門学校では情報系の学科の学生は全員強制受験だった。そのためやる気のない者も相当受けさせられている。
- うちの専門学校(2年制)では卒業までに基本情報に合格できたのは(俺含め)クラスの上位3割以内の人間だけだった。卒業までに3回受験できることを考慮すれば、1回あたりの合格率で言えば全国平均よりも低い。
- 俺が通っていた専門学校では情報系の学科の学生は全員強制受験だった。そのためやる気のない者も相当受けさせられている。
- 一部の大学(主に情報系や経営学部など)でも認定講座が開設されている場合がある他、稀に工業高校や商業高校でも認定講座を受講することができる場合がある。
- 昔は第二種情報処理技術者試験と呼ばれていた。
- 実は表計算は元々は基本情報技術者試験には出題されておらず、初級シスアドという昔あった別の試験区分から移行してきた分野である。
- 2009年以降はストラテジと呼ばれるビジネス系の分野が午前で出題されるようになり、多くのエンジニアを泣かせることになった。また、午後の選択問題でもストラテジが出題されるようになった。
- これも元々は初級シスアドで重点分野となっていた。
- このため、現役のエンジニアやプログラマーの場合はむしろ午後より苦戦するとのこと。
- ただしこのストラテジと表計算のおかげで、文系でも比較的合格しやすい試験になった、とも言える。
- これも元々は初級シスアドで重点分野となっていた。
- 中途でIT業界を狙う場合はこの資格がほぼ必須と思って良い。
- 大手企業だと新卒であっても入社前にこの資格の取得を義務付けている場合がある。
- 公的機関(官公庁、警察、自衛隊など)の情報系の部署だと、この試験またはより上位の区分に合格していることを採用条件として課している場合が多い。
- ITパスポートは参考書が1冊で済むが、この試験だとそうもいかない。午前巻・午後(アルゴリズム)巻・午後(プログラミング)巻の最低3冊になるとか。
- 表計算、CASL、C言語についてはだいたいどこの書店でも販売されているが、Javaのテキストは百貨店か大型ショッピングモールにでも行かないとなかなか手に入らない。
- 「参考書の著者は誰が良い(わかりやすい)か」がしばしば議論される。
応用情報技術者試験
- 応用情報技術者試験は午前免除が無く、午後が記述式である。
- ただし応用情報技術者試験の午後はセキュリティ以外は全部選択問題。例えばアルゴリズムを回避して、ビジネスに関する問題で固めるという攻略法もあるため、文系ならむしろ基本情報より簡単説もある。
- 実際、基本を飛ばしていきなり応用を受けて合格する人もいる。
- 昔のソフトウェア開発技術者試験では午後のアルゴリズムが必須だった。しかも記述式。
- ソフ開は午前、午後1、午後2の3部構成であり、特に午後2は複雑なアルゴリズムやSQLが出題されていたため、難易度が非常に高かった。
- ただし応用情報技術者試験の午後はセキュリティ以外は全部選択問題。例えばアルゴリズムを回避して、ビジネスに関する問題で固めるという攻略法もあるため、文系ならむしろ基本情報より簡単説もある。
- 最初は第一種情報処理技術者試験という名前で、21世紀に入ってからソフトウェア開発技術者試験に改称、2009年に応用情報技術者試験に名前が変わった。
- これに合格すると弁理士国家試験や中小企業診断士試験の科目免除の特典を受けることができる。
- この試験に合格すると、文系の超難関国立大学である一橋大学の商学部、社会学部の推薦・AO入試の出願資格が得られる。実際に合格できるかどうかは別として。
- 基本情報との難易度の差は実はそれほど大きくないのだが、社会的評価はだいぶ差があるため、比較的コスパが良い資格であると言える。
高度情報処理技術者試験
- 応用情報技術者試験の更に上の階級で、高度情報処理技術者試験というのもある。一つの区分では無く、複数の区分の総称である。
- 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
- 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
- 論文が課される区分:システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)、ITサービスマネージャ(旧システム運用管理エンジニア)、システム監査技術者
- 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
- 高度の各区分は原則として、4月と10月のどちらか年1回しか実施されない。(基本情報などは年2回実施)
- ちなみに基本情報と応用情報の差よりも、応用情報と高度の差の方が遥かに大きいらしい。
- 高度情報処理技術者試験の各区分は専門分野に特化した試験であり、出題範囲は応用情報までと比べて狭いが、その分、モノ凄く深い内容まで突っ込まれる。
- 後述のセキュリティスペシャリストを除いて、どの区分も受験者は少ない。特に組み込みシステムみたいな特殊な分野だと尚更。
- 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
- 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成である。
- 時々、午前1で不合格になってしまう人を見かける。出題内容自体は浅いが範囲がとても広いため。厳密には専門分野の知識を測定するのは午前2以降となる。
- 午前1で落ちるのはマジで勿体ないので絶対に避けるべき。ただし午前1は科目合格(免除)制度もあるため、午前1だけ受けて途中で帰る、なんて作戦もアリ。
- 応用情報の合格者も高度の午前1が免除される特典がある。
- 意外にもアルゴリズムに特化した高度区分は現在は存在しない。
- 昔はプロダクションエンジニアという区分があったが、21世紀に入る前に廃止された。
- かつてはユーザー向けの高度区分も存在した。情報セキュリティアドミニストレータ(セキュアド)と上級システムアドミニストレータ(上級シスアド)だ。
- セキュアドは難易度を大幅に下げて、情報セキュリティマネジメント(セキュマネ)として事実上復活している。
- 上級シスアドは論文課題があったため、ユーザー向けとは思えないくらい非常に難易度の高い試験だったとか。
- かつては一部の区分(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、上級シスアド)がスキルレベル5に指定されていたが、現在はスキルレベル4に統一されている。
ネットワークスペシャリスト試験
- 昔はオンライン情報処理技術者試験と呼ばれていた。高度の中では比較的歴史の長い区分である。
- 業界ではしばしばネスペと略される。
- テクニカルエンジニア時代はテクネと呼ばれることもあった。
- 覚えることがとても多いため、しばしば「論文課題が無い区分としては最難関」と言われる。
- 実際、ネットワークセキュリティに関する問題は、情報処理安全確保支援士試験のそれより難易度が高いそうだ。
- テクニカルエンジニア時代は1ランク下のソフトウェア開発技術者を飛ばしてテクネを受験する人も少なくなかったとか。
- インフラ系のエンジニアの場合、アルゴリズムやSQLが苦手だとソフ開にはなかなか合格できないため、ソフ開を飛ばした方が対策しやすかったと言われている。
- インフラ系のエンジニアなら電気通信主任技術者や工事担任者と並び取っておきたい資格の一つ。
- シスコシステムズの認定資格もね。
データベーススペシャリスト試験
- 高度区分の一つ、データベーススペシャリスト試験は技術的な知識よりも国語力の勝負と言われることが多い。
- 民間資格のオラクルマスターとは出題傾向が異なるため、オラクル持ちでも合格するのは簡単ではない。
- でも実務で役に立つのはオラクルマスターの方だと思う。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- 組み込みシステムに特化した区分で、おそらく情報処理技術者試験の中で最もマイナーな区分。
- 受験者数は情報処理技術者試験の全区分の中で最も少ない。
- 他の区分のテキストはあっても、エンベデッドのテキストは売っていないなんて本屋も多いのでは?
- 情報処理技術者試験としては珍しく、電子回路や電気の知識が要求される区分。
- そのため、受験者のほとんどは大学の工学部や高等専門学校(高専)、工業高校などの出身者である。
- モータの知識も必要だったりする。そのため、高校レベルの物理学、数学の知識も使う。
- 出題テーマが非常に幅広く、ドローンや自動車の自動運転システムなどの他、観光案内用ロボットやコインパーキングなどがテーマになったこともある。
- 昔はマイコン応用システムエンジニア試験と呼ばれていた。
情報処理安全確保支援士試験
- 情報処理安全確保支援士は情報処理技術者の中で唯一の登録制の国家資格(免許)。
- 元々は情報セキュリティスペシャリスト試験という高度の区分の一つだった。高度の中で唯一、年2回実施されていたということで人気が高かった。
- 資格の維持費が高い割に独占業務が少ない、更新制度がある、などの理由で、試験に合格しても登録しない人も多いらしい。
- 応用情報に合格した人が次に受ける試験は、ほとんどの場合これ。
- 他のスペシャリスト区分に比べて覚えることが少ない上に、年2回試験が実施されることから、高度の中では最も簡単と言われることが多い。しかしそれでも基本情報や応用情報と比べるとだいぶ難易度は高め。
- 情報セキュリティスペシャリスト試験の前身はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験。この頃は年1回しか実施されなかった上に問題の難易度も支援士やセキスペ時代より高かった。
- 当時はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)がエンジニア向けのセキュリティの試験、情報セキュリティアドミニストレータがユーザー向けのセキュリティの試験と言われていた。
システムアーキテクト試験
- 1993年までは特種情報処理技術者試験、1994年から2008年まではアプリケーションエンジニア試験と呼ばれていた。
- 実は高度の中で最古の区分である。
- 昔は受験資格に年齢制限(25歳以上)があった。これは他の論文区分も同じである(区分によっては27歳以上)。
- 現在は年齢制限は存在しない。しかしそれでも実務経験のない学生や、経験の浅い若手社員が合格するのはほぼ不可能。
- 特種、アプリケーション時代は午前、午後1、午後2の3部構成だった。2001年から2008年までは午前はシステムアナリスト試験やプロジェクトマネージャ試験との共通問題が出題されていた。
- ソフトウェア開発技術者試験の合格者はアナリスト、プロマネ、アプリケーションの午前が2年間免除される特典があった。