もし華族制度が廃止されなかったら

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明治時代に創設された華族制度は、貴族制度の禁止(憲法14条2項)と法の下の平等(憲法14条1項)を定めた日本国憲法の施行とともに廃止されました。もし、華族制度が残っていたとしたら?

全般

  1. 身分の違いが原因による殺人や心中が、多く発生していた。
    • 心中はともかく殺人はそんなになかったんじゃなかろうか。
  2. 私立大学最高峰は、早稲田でも慶応でもなく、学習院になっている。
    • 難関大学のボーダーとなる「MARCH+G」と言う言葉は存在しなかった。
      • もしかすると学習院の代わりに成蹊辺りが入って「MARCHS」になっていたかもしれない。
    • 私立の最高峰は早慶・上智に学習院が加わるので、「早慶上学」とでも呼ばれていただろう。
    • 学習院は、史実よりも学部も学生も多いマンモス大学に。
      • 医学部と付属病院は確実に設置されている。(場合によっては、歯学部、薬学部も)
      • 目白以外にもキャンパスが存在する。
        • 学習院女子大学が学習院大学に統合され、「学習院大学西早稲田キャンパス」になっている。
  3. さすがに戦前と同じ形での存続は不可能か。
    • おそらく憲法14条には「栄典により平等性に影響が及ぶことはない」という趣旨の表現が存在していた。
    • 女性も華族になることが出来るようになる。
      • 厳密に言えば「女性も爵位を持つことができるようになる」。史実の戦前日本における華族制度は女性は爵位をもてなかったが、爵位を持つ男性の家族の女性も「華族」になるため。
      • 「女性なのに男爵」がネタにされる。
        • 男爵(Baron)に対する「バロネス」(Baroness)という女性への爵位は普通に存在するのだが。
          • 実際に単語があったとしても如何に訳されるかが問題だと思う。ストレートに「女爵」になるのか男爵共々新しい訳語が設けられるのか?
    • 名目上の平等権を保つため、爵位に相続税が課されているかもしれない。ただし値段は公爵で500円とかそんなところ。
  4. 現在のイギリス同様名誉の称号としての色彩が強くなった。
    • オリンピックの金メダリストやノーベル賞を獲得した学者が爵位を授けられていたかもしれない。
      • 学者なら文化勲章受章者あたりも爵位が授けられたはず。
      • 国民的なスポーツ選手にも授けられていただろう。初の例になるのは長嶋茂雄か。イチローは当然「現役時代は…」と拒否。力士は積極的に叙爵されそう。
    • 人気芸能人も爵位を授けられていた。
      • 芸能人に関しては、歌舞伎役者などの伝統芸能の人に「掾号」の授与が積極的に行われていたと思われる。
      • ただし、文化勲章の受章まで成った人物は爵位も授けられたかもしれない。「桂米朝こと中川清男爵」など。
        • なお、坂田藤十郎は夫人が政治家として大臣や議長クラスを勤めたことから、勲章を受章するより前に、サッチャーの夫のように男爵になる。
    • 大衆演劇としては森繁久彌や森光子辺りには授けられていると思われる。さんま・タモリ・たけしはどうだろ…。
  5. 爵位を持った人物が犯罪を起こした場合ワイドショーや週刊誌で大騒ぎになる。
    • 爵位を持った○○職の人というのがやたら話題になる。特に芸人とかになるとテレビ、アニメオタクとかになるとネットでカルト的人気に。
  6. ネット右翼が爵位を持っている人物の国籍などの粗探しに躍起になる。
    • 「朝鮮人や支那人の血が少しでも流れているなら爵位を剥奪しろ」「帰化人は爵位を持つに値せず」などと言う無茶苦茶な主張が飛び交っていた。
      • 朝鮮の戦後の帰属にもよるが、朝鮮王族から帰化した桃山家は日本の華族として侯爵辺りに叙されていた。他に一部の朝鮮貴族が日本帰属を選択し日本華族に組み込まれていたか。
        • ただし、ネット右翼の批判対象となるのは主に朝鮮人の民間人出身者(と疑われている人)が当人の功績で叙爵された例ばかりとなる。
          • もっとも、これに該当しそうなのが金田正一(朝鮮)と安藤百福(台湾)、後はドナルドキーン(米国)くらいしかいそうにないが。
            • 王貞治が該当するかは微妙。
            • 外国人力士が叙爵できるかも微妙なところ。曙はされるかもしれないが、朝青龍が問題を起こした関係でそれ以降はかなり厳しい審議が行われることになりそう。
              • ある日のワイドショー「…北の湖や貴乃花の事例からすれば、白鵬にも当然男爵をという話となりますが、このままだと厳しいでしょうね~」「さてその貴乃花男爵ですが、嫡男の花田優一さんを廃嫡するというニュースが報道されています」
  7. 明治当初に華族制度の念頭に置かれていた「終身華族」(一代限り華族)制度が復活する。子孫に継承可能な方も「永代華族」の名が復活する。
    • イギリスの一代貴族のように、終身華族は徒に華族の数が増えないよう叙爵の主流となる。というか60年代にはほぼこればかりになる。
      • 特に顕著な業績を残したものはその限りではない。恐らく史実のように政界との結びつきが強い人間に有利。読売新聞オーナーの正力家や、トヨタ自動車の豊田家辺りは世襲男爵を貰えただろうか。
        • 地方財界でも山形の服部天皇とか鹿児島のいわさきグループの創設者の岩崎與八郎とかは世襲男爵を貰えそう。
        • 麻生家も世襲爵位を貰えて、麻生太郎は貴族院議員にならない限り政界に居ない。
    • なお、「終身華族」という言い方では「永代華族」との違いがよく分からないという意見が出て、市中では「一代華族」の呼び名が一般的になっている。
      • 一代年寄みたいなもんだな。
        • そんな貴乃花や北の湖は世襲爵位を貰っていそう。相撲は伝統的行事だと厚遇されそうだし。
          • なので力士には更に品格が要求される。
          • 将棋や囲碁の強豪も貰えるかな。大山や中原、羽生辺りは確実だろう。米長も思想的には厚遇されそうだがスキャンダルで難しいか。
          • 貴乃花は協会離脱の折、「私の息子がこんな風に目立つのはうんたらかんたら」とか言って爵位を放棄し息子に継がせないようにするかも。
  8. 競馬の「有馬記念」はその名をつけなかったor有馬伯爵家が賜杯を渡すほどがっつり絡むようになったか、のどちらか。
    • 水天宮の宮司さん(有馬家)が滅茶苦茶有馬記念を宣伝しているので、絡みそう。
  9. 子供のなりたい職業ランキングの上位に華族が入っている。
    • そのため華族が国家資格になっていたかも。
    • 子供に人気の有名人を華族にしろという声が高まったりする。
  10. 戦後に華族の大幅削減が断行される。旧皇族が華族になるぐらい。この場合貴族院は存在しない。
  11. 上級国民とは華族の事を指していた。
  12. 爵位を持つ人が逮捕されて、重い刑が課されたら爵位が剥奪される。

皇室

婚姻

  1. 皇室へ民間人が嫁ぐ事例は史実より大幅に遅く発生する可能性が高い。ただし発生しないことは無いと思われる。
  2. イギリスのように、平民と結婚すれば伯爵に叙して華族とするだろう。
    • 清宮貴子内親王の婚姻相手は佐土原島津家の次男であり襲爵の権利が無いため、新たに伯爵に叙されると思われる。
  3. 皇女の降嫁先は男性皇族の婚姻以上に華族社会から脱することは困難になる。
  4. 紀宮清子内親王の婚姻相手は確実に華族子弟となるだろう。
    • もし史実通り黒田氏となっていた場合、イギリスのアン女王の夫のように叙爵を辞退していた可能性もある。
  5. 容子内親王の婚姻は普通に千氏となった可能性は高く、「初の民間人降嫁」と騒がれる。
    • もっとも、戦後に叙爵のハードルが下がって芸能人などにも叙爵されていた場合、先に伝統文化分野への叙爵が進んでいた場合があり、この場合三千家当主は男爵になっていただろう。
      • ただしこの場合も裏千家は男爵から伯爵に陞爵していた。そして裏千家茶人や門弟と他の二家(特に表千家)の茶人や門弟との仲が史実より悪化する。
  6. 典子女王の降嫁先も千家氏であろう。無論この場合も上記のように伯爵に陞爵し、出雲国造家の爵位がようやく浄土真宗大谷家に並ぶため、ごく一部の右翼や出雲教徒がこっそり喜ぶ。
    • ただし北島家との関係は更に悪化する。
  7. 眞子内親王の降嫁先がああなることはまずありえない。華族子弟が既定路線だし、「平民降嫁」が実現するにせよガチガチの名家から選ばれるのはほぼ確実だろう。
    • そもそもICUへの進学が認められず、二人の出会いすら無かったかもしれない。
  8. 絢子女王の降嫁先はそれほど拘束されず、史実通りの可能性もある。一方で三姉妹の誰かが高円宮家の祭祀継続のため他の皇族(伏見宮系)と婚姻することになると思われる。

明仁上皇の妃が…

華族出身者から選ばれていたら
  1. 初の平民出身の妃は三笠宮三兄弟の誰かか、常陸宮の妃となると思われる。
    • 前者の場合は秋篠宮(礼宮)のみ、後者の場合は皇太子(浩宮)の妃も民間人出身者となる。
      • 前者の場合は未だ天皇直系の子の妃が華族出身者のみで占められているため。
      • よって前者の場合は普通に皇太子が先に結婚、男子にも恵まれている可能性が高い。
史実通り正田美智子氏だったら
  1. 殆どの皇族の婚姻は史実通りとなるが、皇太子(浩宮)の婚姻のみ史実以上に華族社会からの圧力が高く華族出身者となる。
    • よって皇太子が秋篠宮より先に結婚、男子にも恵まれている可能性が高い。
      • 浩宮時代(昭和時代)に結婚・男子誕生が成された場合、御称号はつけるのか、宮家とはならないのかなど、特にどうでもいい議論が展開される。
        • 結局宮内庁は「浩宮家」として宮家に擬した扱いを行う。子に御称号はつく。
          • そのため、平成以降の皇室において「○宮さま」という呼び名は廃れず、敬宮愛子内親王が誕生した場合も「敬宮さま」呼びが普通になる。
  2. 場合によっては、嫁ぎ元の家を華族に叙する場合も考えられる。
    • 正田家のように皇太子妃を輩出すれば伯爵、川嶋家のように直宮の親王妃を輩出すれば子爵、麻生家のように直宮でない親王妃を輩出すれば男爵といった感じになる。
      • よって、麻生太郎は華族となり、衆議院の被選挙資格を失う。夫人との出会いは派閥のボス鈴木善幸のパーティに参加したことからなので、結婚相手も変わったかもしれない。
        • もっとも、妹の婚姻の時点で父の麻生太賀吉は逝去していたため直ちに華族となり、史実で衆議院議員になった感覚で貴族院議員に立候補すればその限りではない。

伏見宮系の皇籍離脱が…

史実通り行われていたら
  1. 宮家当主は公爵、当主を継ぐ予定の無い次男以下は戦前の制度に則り(未成年であっても)侯爵または伯爵に叙された。
  2. 東久邇宮改め東久邇公辺りは、戦後も政治などに積極的に口を出すようになり、後に自民党の貴族院重鎮議員となる。
  3. 竹田恒和は離脱直後に一般人として生誕したが、特例で伯爵を叙され、竹田恒泰も伯爵家継嗣として迂闊な行動は出来ないでいる。また10年早く結婚している。
    • 最も、場合によっては史実のようにテレビなどに出まくっていた可能性も否めないが。
      • 少なくとも「皇室芸人」にはなってないはず。伯爵議員にはなってるかも知れないけど。
    • 2020年東京オリンピック決定の報を以て特旨で侯爵に陞爵するも、後の疑惑が原因で華族会館からも暗に突き上げをくらい、隠居を余儀なく。その場合恒泰が爵位を襲名する。天邪鬼な性格のままなら弟に譲ってしまうかも。
  4. 現在の皇室側の如何に関わらず「皇室の次の後継者」扱いはされ続けるかと思われる。
行われていなかったら
  1. 宮家の次男以下の子供たちは何れ成人に伴い侯爵ないし伯爵を叙されて皇籍を離脱(臣籍降下)する。
    • 賀陽宮系の華族が大量に出来上がる。史実より後継者も多いはず。
    • 史実の離脱において親と同じ苗字を持つことになった宮家の三男以下の男子は、別の苗字を賜姓される。例えば竹田恒和・恒泰親子は別の苗字(宮邸に因んで高輪さんとか、お召し艦比叡に因んで大津さんとか)。
      • 現在の(明治系)皇室が史実通りであるならば、次男三男であっても断絶した宮家を継ぐ形で皇室としてある程度は残っている可能性は十分にある。
  2. 多良間俊彦のブラジル移住は無い可能性が高い。
  3. 準則に書かれた六世代以降は嫡流でも降下するという制度は、一度も実現されることの無いまま有耶無耶にされる。
    • そのため、史実におけるような皇位継承者の不足は解消される。
      • 後継者がこの時点でほぼ絶望的な山階宮・東伏見宮・梨本宮は無理でも、他は存続しているだろう。
        • 閑院宮も断絶してそう。
    • 逆に、準則を厳格に適用すべしという「皇室削減論」が燻り続ける。

政治

  1. 社会党や共産党、部落解放同盟あたりが「華族制度廃止」を主張していた。
    • 右派社会党は、逆に積極的に肯定していたかもしれない。
      • 春日一幸とかが男爵になっている。社会党議員は、史実で勲章を貰うようになった頃から叙勲者が出だす。
    • 松本治一郎は民選議員枠で貴族院に当選し、副議長として伯爵叙爵となったが拒否。結局一代華族となり、議員退任後はこれも返上した。このエピソードは解同で何故か誇らしげに語られる。
      • 逆に孫の松本龍は「俺は本当は伯爵だったんだぞ」と周囲に言いふらし、氏の傲慢さを表すエピソードだと週刊誌にネタにされる。
  2. 当然ながら現在も貴族院がある。
    • おそらく憲法では衆議院の優越が現実以上に強調されていた。
      • 戦前同様衆議院の被選挙権は与えられない。
        • これにより、衆議院で排除したい人間にわざと爵位を与えて追い出す現象が発生。
          • 大概は終身華族として一代限り男爵位を贈られるが、中曽根康弘元首相はそれによる退任も嫌がり、結局2003年の引退に際し世襲の伯爵位辺りを数十年ぶりに叙爵する(史実のイギリスにおけるマクラミン元首相のように)。
        • 細川護煕元首相は爵位継承者であるため知事や首相にはなっていない。
          • 実は戦前の華族制度でも有爵者本人以外は衆議院議員になれたんだけどね(隠居後の高橋是清、襲爵前の有馬頼寧がこのパターン)。そして護煕が政界で活動していた時期はまだ父親の護貞が生きていた。
    • 結果として日本の政治制度がよりイギリスに近くなっていたかもしれない。
      • 貴族院には様々な分野への功労者・有識者も改選議員として名を連ねていたかもしれない。
        • 逆に「どうせ貴族院の連中が何とかしてくれる」という理由で日本人の政治離れがますます進んだ可能性も。
      • 貴族院出身首相は原則として廃止されるが、四十日抗争発生時に突如「議席持っているから」と誰かが臨時の首相として担ぎ出され、調停役に当たる(史実のイギリスにおいてはヒューム卿)。
        • 神輿として担ぎ出されたものの、落選しない余裕から派閥の領袖や官僚達の圧力をはねのけ、自分のやりたい政策を断行する。
          • 「○○降ろし」を行う派閥の領袖に対して、衆議院解散で対抗。結果として、派閥の領袖たちを押さえ込むことに成功する。
    • 貴族院の議席は残るが、アメリカの横槍で半数が民選となり、残りのうち更に半数が勅選議員や学者議員になり、最終的に世襲華族の議席は全体の4分の1にまで減ったが、更にこれの廃止が検討され出している。
  3. 国民栄誉賞はイギリスのナイトに範をとった一代貴族の制度として導入される。
  4. 戦前の徳川家達公みたいに、外交などで交渉してくれる人に箔がついて、国益にししたかもしれない。
  5. 政治家では池田勇人辺りまでは全員が世襲の男爵~伯爵の大盤振る舞いを受けただろう。
    • その後は史実で従一位を貰えた人間が永代華族として伯爵を叙爵し、それ以外の三権の長や大臣は一代限りの男爵で、勲章で差異をつけただろう。
      • なお、吉田茂のみ皇族以外では戦後唯一となる公爵を叙爵されている。
      • 安倍晋三も公爵を受けていただろう。
      • 下にある通り世襲政治家が世襲華族になっていたら、従一位を貰えた人間及び総理大臣に5年以上在任した人は世襲侯爵になっていただろう。
  6. 岸信介と佐藤栄作は共に世襲の伯爵。鳩山一郎も。よって鳩山由紀夫は政界進出しない。ただし次男である邦夫や佐藤信二は政界に進出する。
    • 鳩山は貴族院議員として余計な発言を増やしそうな気がする。
      • 侯爵にならなきゃ貴族院議員の議席は自動では貰えないからどうかな…進出しちゃうのかな。熊本のバカ殿様(侯爵)は余計なこと言いまくりかもしれないけど。
      • 上記(皇籍離脱の項)の理由で侯爵となった竹田恒泰氏と鳩山氏辺りが壇上でついに激突。翌朝の東スポの見出しは「バカ孫vsドラ息子 良識の府で仁義なき大ゲンカ」とか。
  7. 中曽根康弘は史実通りに衆議院を退いても直ぐに貴族院に転じ、90を越えた今も議席を保有し続けて尾崎行雄の連続在任記録を越えている。
    • 2019年に101歳で亡くなると、追悼演説は村山富市貴族院議員(当時95歳)が行う。
  8. 史実の世襲政治家の内の大部分は世襲華族になっていただろう。
    • よって史実で平成以降の総理大臣は非世襲の宇野・海部・村山・菅義偉以外はなれず、変わっていた。
    • 世襲政治家削減の際に、世襲政治家本人を世襲華族にすれば良いという意見が出ていた。
    • 世襲したくない人は辞退し、一代限りの男爵になっていただろう。
    • 公職追放された宮澤父の叙爵は無かったと思うから、宮沢総理は誕生したと思う。一方村山政権の後の首相は綿貫?梶山?梶山総理なら、菅(義偉)総理誕生も早まったかも。