- 州の数だけ言語がある。それがすべて公用語になっている。
- 紙幣には全ての公用語が並べて書かれている。初めて見ると驚く。
- 公用語の種類が多すぎること、およびイギリス植民地時代の影響から、英語が共通語として普及しており、欧米とビジネスをするときの強みにもなっている。
- インド独立当初の構想ではヒンディー語を共通語とするはずだったのだが、南部の反発や英語が世界共通語面してえばってることもあり徹底されていない。
- 公用語となっていないローカル言語も多数ある。教育も英語でおこなわれるので、中流以上の人なら自分の母語、ヒンディー語、英語の3つくらい話せるのがあたりまえだが、このうち自分の母語だけ読み書きできなかったりする。
- というより必要なので自分の母語、ヒンディー語、英語をはなせるように勉強する。大学では全て英語で講義を受けるし、政府は政策運営の為出来ないと困る、とにかく全国から人が集まるところでは自分の母語、ヒンディー語、英語が出来ないとどうしようもならないらしい。ここまで来るのに50~60年かかったそうだ。(当社のインド人社長の証言)
- 公用語のリストは憲法で規定されていて、新しく言語を公用語に加えるときはそのために憲法を改正する。
- 地方の鉄道駅では、案内サインが全てヒンディー語・現地公用語・英語で表示されている。
- 大きく分けると、インド・ヨーロッパ語族とドラヴィダ語族の二系統に分かれる。
- どっちにも属さない言葉もちらほらある。
- 東部の恵まれない階級の人々に多い。ムンダ語(ベトナム語やカンボジアのクメール語と同じ仲間)など。
- 北インドがインド・ヨーロッパ語族で、南インドがドラヴィダ語族。
- インドの印欧語はその殆どがインド語派。唯一最大の例外は英語(笑)
- でも文字はバラバラ。で、一方でネパール語(これもインド語派)がヒンディー語とほぼ同じ文字を使用していたりする。
- ドラヴィダ語は本来アフガニスタンやパキスタンで話されていたインダス文明の言葉とも。
- 北方に取り残されたのがアフガニスタンの「ブラーフーイー語」。
- なお、仏教でも多用されるインドの古典語「サンスクリット語」は純度の高いインド語派だが、現在のインド語派諸語ではウルドゥ語を筆頭に文化的語彙ほどアラビア語・ペルシア語系になっている。
- ペルシア語は実はインド語派と近縁(イラン語派)であり、イラン語派とインド語派の過渡的な言語群(借用とかでなく、本当の中間的な語派)もパキスタンあたりには存在する。
- その一方でドラヴィダ語族の言語のほうがサンスクリット語の文化的語彙を大量に採用して保持している。
- ヒンディー語ではサンスクリット語を参照して言語純化を行ってきたが、既に定着した大量の借用語を排除するには至っていない。この点スペイン語の現状を彷彿とさせる。
- インドで最も話されている言語は、ヒンディー語。
- 世界でも屈指。中国語には負けるけど、アラビア語や英語、スペイン語とはいい勝負。
- ところが悲しいかな、話者の国数ではインドとその周辺の数ヶ国しかないので、国際語として認定されない。
- 方言がいっぱい、似たような言語もいっぱいで、どこまでがヒンディー語か謎。
- インド国内のインド語派の諸言語は、北西部山岳地帯(カシミール等)を除けば、ドイツ語(+オランダ)内部・ロマンス諸語(葡・西・仏・伊)内部・北欧語内部程度の差しかないという(日本語の本土方言と正調うちなーぐちよりも近い関係)。それでも文字が違うので読めなかったりする。
- 母語がウルドゥー語の人とは意思疎通が可能らしい。
- あっちは、ペルシア語とかアラビア語からの借用語が多く、表記はアラビア文字。
- 元々「ヒンドゥスターニー語」という同じ言葉が宗教的理由で分裂。ユーゴスラビアを思い起こさせる。
- 「カリーボーリー」と呼ばれる口語にはヒンディーとウルドゥの区別は本来ない。
- お察しの通り、ウルドゥー語はパキスタンの公用語。但しインドでも公用語の一つであり主にムスリムを中心に使われる。
- 字面がアラビア語と似ているので誤解されやすいが、ヒンディー語は右書きではない。日本語と同様左から右に書く。
- いわゆるボリウッドでは、たいていヒンディー語が使われる。
- だがそれが作られているムンバイで主に話されているのはマラーティー語。
- タミル語はスリランカ、シンガポールでも公用語。
- 公用語扱いされていないが、マレーシアにもタミル語話者は少なからずいる。