本物になった偽モノ
2019年7月9日 (火) 00:03時点における>Katsuyaによる版 (→その他)
間違いないモノ
食品
- 片栗粉
- 本来はカタクリ(片栗)というユリ科多年草の澱粉だが、代用品であるはずのジャガイモ澱粉がこう呼ばれるようになった。
- カタクリが高価に成りすぎたのが一番の要因らしい。葛湯に葛を使わないのも同じ。
- がんもどき
- 元々は雁の肉の代用として作られたから「雁もどき」だったが、いつの間にやら忘れ去られ普通の豆腐料理に昇格(?)した。
- (日本において)雁の捕獲が禁止された今ではもはや代用品ではない。
- ひょっとしたら「ガンモ」の名称だけ知っている人もいるかも知れない。
- シチューオンライス
- 元々シチューはご飯にかけて食べることに賛否が分かれていたが、ハウス食品がご飯にかけて食べることを前提にしたシチューを商品化した。
- そもそもシチューにごはんをかけること自体、議論の余地があるものだった。ほっともっとではシチュー丼が発売されていた時期もあったほか、クリームシチュー自体は米飯との調和を考えて日本で開発された料理であるので無理はない。
- 明石焼きとラジオ焼きが原型であるが、いつの間にかこちらが本物に。
- 月菜汁
- 元々はさだまさしが作詞作曲した丸亀市のイメージソング「城のある町」の歌詞に登場する架空の郷土料理だったが、その後丸亀市で新たな創作料理として作られるようになり、見事本物となった。
- 肉じゃが
- もともとは、ビーフシチューの、洋風調味料が入手難だったことによる代替料理だったという。
- 発端は日本海軍。
- 羊羹
- 読んで字の如く『羊の羮(あつもの)』
- 元が中華なのか北方遊牧民系なのか判らないが、精進的和菓子の道をたどり、羊レバーのスープだった面影はもう何処にも無い。
- わらび餅
- 本来はワラビ(シダ植物)の根から採る澱粉で作る和菓子だが、今ではサツマイモの澱粉で代用して作る。それでもわらび餅という。
- 片栗粉と同類だな。
- 今では、本物のワラビ粉を用いたわらび餅の方にその旨の注釈が必要なほど。
○○風元××料理
- もともとの起源は××料理だったはずだが今普通に食べられているのは○○料理と言わざるをえないモノ。
- 石焼きビビンバ
- 大阪の韓国料理店で発案され、その後韓国にも逆輸入された。
- カステラ
- 洋菓子だと思われているが、ポルトガルにカステラというお菓子はない。
- というか、和菓子屋にカステラが置いてあることも少なくない気がする。
- カステラ地方があるのはスペインな。
- そのはずだけど、伝来元はポルトガルで合ってる。ここも複雑な経緯がありそうだ。
- 「バターが無いなら水飴でしっとりさせればいいじゃない」という、世界でも例の無い試みの成果。
- カリフォルニアロール
- アメリカのスシバーで、日本で一般的な寿司が苦手なアメリカ人向けに発案された。
- その後日本にも逆輸入され、現在では棲み分けが図られている。
- カレーライス
- 今これを偽インド料理などと考える者はいないだろう。
- 元々は、本国に美味い料理が少ないイギリス人が植民地インドの料理をアレンジしたものだった。
- それがさらに日本に移入されたが、当時の日本人はそれを自らの口に合うよう作り替えていった。
- やがて本場のインド料理も日本に入ってきたが、現在では棲み分けが図られている。
- ちなみに当のイギリスでは、インドやパキスタンからの移民が作った本場のインド料理に取って代わられたという。
- 結果、「和食」の定義からは外れるものの、日本独自の料理として定着している。
- コロッケ
- もともとの起源はクロケットという西洋料理だったはずだが今普通に食べられているコロッケ御膳はどう見ても和食。
- シーザーサラダ
- イタリア料理と思われがちだが、アメリカと国境を接するメキシコの町のレストランでイタリア系移民の料理人によって考案された。
- 天津飯
- 中華料理と思われがちだが中国には同名の料理が存在しない。
- 中国で「天津飯」と言うと単に「天津地方の料理」の意味になる。
- ドリア
- 創作者はユダヤ系スイス人、日本の初期ホテルのシェフ長達を教えた人物。
- 料理人の属性はフランス料理のシェフ。
- 発祥地は横浜。
- そして現在なぜかイタリア料理と思われている。
- トンカツ
- もともとの起源はカツレツという西洋料理だったはずだが今普通に食べられているトンカツ御膳はどう見ても和食。
- ナポリタン
- イタリア料理のイメージがあるが、イタリア人から見ればトマトケチャップを使うのが理解できないらしい。
- 横浜のホテルがトマトが高価だったのでかわりにトマトケチャップを使ったかららしい。
- 冷やし中華
- そもそも中国では冷水や氷を使って食品を直接冷やす慣習が無く冷たい麺料理は一般的でない。
- 東京か仙台の料理店で考案されたものらしい。
- フォーチュン・クッキー
- アメリカの文化と思われているが、アメリカの日本人経営者の料理店で考案されたもの。
- しかし日系人の強制収容で作られなくなり、かわりに中華料理店で出されるようになるとアメリカでも中国発祥だと思われているらしいとか。
- 起源は「辻占煎餅」。
- 焼き餃子
- 日本では戦後中国大陸から持ち帰ったと言われているが、中国では水餃子が主流であり、中国ではほとんど食べられていない。
- 正確に言うと水餃子ほど食べられていないというだけで、「鍋貼」という焼き餃子が北方を中心に中国各地で食べられている。
- ラーメン
- 中華料理と思われがちだが中国には同名の料理が存在しない。
- ちなみに中国での「ラーメン(拉麺・拉面)」とは料理ではなく麺の製法のこと。
- 「日本人は中国のものだと思っているが、中国人は日本のものだと思っている」とも。
- 中華料理
- 元々は中国料理を日本人向けにアレンジした料理であり、そういう視点ではラーメンも中華料理で正解。
飲料
- 牛乳
- 元々は母乳の代用だったんだろうが、西洋で大人も飲む普通の飲み物となり、それが世界に広まったのだろう。
- こどもびいる
- ビールの子供用代用品、と言ってしまえばそれまでだが、本物を飲む訳にいかない子供にとっては代用品ではない。
- いや、ビールを法律上の関係で飲めない代わりに飲む物だから、一応代用品と言える。
- サイダー
- 英語でCiderはリンゴ酒を意味しており、1970年代まで「サイダー」はリンゴ系香味を含んだ炭酸飲料のみをこう呼んでいたが、リンゴ系が廃れるにつれてレモン系香味のものを指すようになった。
- 「三ツ矢サイダー」も元々はリンゴ系炭酸飲料のブランドで、現在のようなレモン系は「三ツ矢レモラ」として別ブランドで売られていた。
- シャンメリー
- こどもびいると同じく発泡ワインの子供用代用品。元は「ソフトシャンパン」という名称だったがフランス政府から「シャンパン」の使用禁止を求められて改名したもの。
- 脱脂粉乳
- 元は給食用牛乳の代用品だった。60代くらいの親戚、祖父母からまずいことを延々と伝えられた借民も多いはず。
- 今、当時の脱脂粉乳の味を再現することは不可能。だって、今なら直接飲んでも美味しいだもん。
- 戦後直後の日本で学校給食に使われていた脱脂粉乳は、(本来は家畜の飼料用だった)バターを作った残りの廃棄物を流用したもの。だから異常にまずかった。それでも食糧難の当時としては貴重な栄養源だった。
- 現在は専ら「スキムミルク」として製菓用で使われる。
- 乳製品の成分表を見ていると、頻繁に見かける。ここでも現役。
- チューハイ
- 「焼酎ハイボール」の略であるが、最近は焼酎に代わりウォッカベースが主流となっている。
- ベトナムコーヒー
- 「新鮮なミルクが入手できないなら、缶のコンデンスミルクを入れればいいじゃん」という思惑から出来た。
- 現在完全に一ジャンルとして定着している。味が濃く取れて美味い。
- ホッピー
- 見た目からわかる通り元々はビールの代用品として作られた物だったが、現在では焼酎を割ったりカクテルに使ったりと以前とは全く別の目的で飲まれるようになった。
言葉
- 「経」 の読み
- 山口謠司氏の 「ん 日本語最後の謎に挑む」 (新潮社) では第二章において 「ん」 の起源について説明されているが、その47ページからの文章に決定的な文章が書いてある。
- 「我々は 「経」 という漢字を 「ケイ」 と振り仮名を振って読んでいるが、じつは 「ケン (グ) 」 と仮名をつけるのが正式の漢音の読み方だったのである。」 [1]
- 漢字の「仮借」
- 本来漢字は表意文字だが、同音・類似音の文字を代用し、表音文字のように使ったものが定着したものがみられる。
- 本来の意味で用いる場合には偏や旁などが付け加えられる場合も。
- 食事療法
- 本来は「食餌療法」だが、今ではどちらも使われる。
- 存亡の危機(そんぼうのきき)
- 本来は「存亡の機」(そんぼうのき)なのだが今では「-危機」とする人が8割以上にも及ぶとの事。
- 独壇場(どくだんじょう)
- 本来は「独擅場」(どくせんじょう)だが、今ではこちらのほうが死語になっている。
- KindleFire (Amazon) でも 「どくせんじょう」 と入力しても出てこないぐらいになってしまったほど。
- 和製漢語
- 漢字は中国発祥だが、日本独自に作られた漢語も多い。
- これは幕末から明治にかけて流入した西洋の文物・概念を漢字にあてて翻訳したものが多かったため。
- 中には元からあった単語に訳語を当てはめたものもある。
- これらの言葉は日本のみならず中国でも普通に使われている単語が多い。
- 例えば階級、共産主義、左翼、唯物論、人民、共和国などの単語も日本発祥だという。
- これは幕末から明治にかけて流入した西洋の文物・概念を漢字にあてて翻訳したものが多かったため。
楽曲
スポーツ
- 金属バット
- もともとは、木製バットが折れやすく経済的負担が大きいことからの代用品だったが、高校野球の世界に関する限り今では完全に定着している。
- 竹刀
- 下の木刀と同様。
- ただし、竹光は今でも偽物扱い。
- タイガーマスク(プロレスラー)
- 佐山聡による初代タイガーマスクのモデルは『タイガーマスク二世』であったが、社会現象を巻き起こすほどの大活躍ぶりから現実世界におけるタイガーマスクとして広く親しまれるようになった。
- 軟式球(野球、テニス等)
- 本来は、硬式球が初級者や年少者には危険であったり、時代的に入手困難だったりしたための代用品。今では確立した種目になっているとみてよかろう。
- ただし、野球の準硬式球(軟式球のような外観で硬式球に近い硬さ)はやはり代用品だと思う。
- 木刀
- 本来はもちろん真剣の練習用代用品。
- 但し居合道に関しては未だに代用品扱い。指導者クラスだと真剣使いも多い。
漫画・アニメ・ゲーム
- アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ
- もともとはGREE版の派生タイトルだが、サービス開始後1年もせずにGREE版の終了が発表されてしまった。
- キン肉マンソルジャー
- 本来は残虐の神の力を得た運命の5王子の一人ソルジャーマンが王位争奪戦において名乗った名前だが、本戦前にキン肉アタルの不意打ちを受けてチームごと全滅&乗っ取られ、以降はキン肉アタルがキン肉マンソルジャーを名乗り参戦、ゲームなどに登場するときは基本的に「キン肉マンソルジャー=キン肉アタル」という扱いになっている。
- 日ポン語ラップの美ー子ちゃん
- 元は服部昇大が描いた『日ペンの美子ちゃん』のパロディ漫画だが、後に服部本人が6代目の『美子ちゃん』イラストレーターに就任。見事本物?となった。
- ルパン三世、CV:栗田貫一。
- 元々は物真似のレパートリーの一つだったが、それがきっかけで前任の山田康雄氏と親交を持つようになり、山田氏の他界後に劇場版『くたばれ!ノストラダムス』より役を引き継ぎ現在に至る。
- レオ (埼玉西武ライオンズ)
- もともとレオは 「ジャングル大帝」 のキャラクターであるが、1978年にライオンズが埼玉に移転する際にレオをキャラクターに採用した。
- しかし原作の手塚治虫によると、「あの絵は実はレオの父親のパンジャなんですよ」 とのことで厳密にはレオとは違うそうだ。
- ただし、耳の先端は黒色なので、この点ではレオとも裏付けられる。
- しかし、2018年現在でもパンジャは西武関係だと 「レオ」 と呼ばれ続けている。
- ウルトラマンジード (ウルトラマンジード)
- にせウルトラマンベリアルとして産み出されるが、ヒーローに心を救われ、名実共にヒーローになった。
お笑い
- ムッシュムラムラ(ダチョウ倶楽部)
- 元々は関敬六の持ちネタだが、ダチョウ倶楽部が『スーパージョッキー』にて使用して以後は、ダチョウ倶楽部の持ちネタとして有名である。
- モジモジくん
- 元々は「ひらけ!ポンキッキ」のコーナーだったが、これを「とんねるずのみなさんのおかげです」にてパロディとして放送されると、やがて「モジモジくん」という「おかげです」を代表する人気コーナーのひとつになっていった。
交通
- 一般形車両
- もともとは国鉄の現場などで旧型客車に対して便宜的に呼んだものであり、規程では存在しない正式な呼称ではなかった。後に「客室に出入口を有し、横型(ロングシート)及び縦型腰掛(クロスシート)を備え、通勤輸送に適した性能を有する車両形式のもの」と規程され、50系客車が登場した時代の時点で正式に使われるようになった。
- そもそも旧型客車も正式な呼び方ではない。20系以降の客車(に限らず、昭和30年代以降に登場した旅客車)は特定の列車や種別へ供するために特急形などの車種を設けたが、それ以前に製造された客車は特定の列車や種別に供することを目的としていなかった。尤も、旧型客車は長距離列車への運用が前提であるため、「通勤輸送に適した」車両と呼ぶには語弊がある。
- 気動車については昭和30年代から使われていたものの中には通勤形や近郊形と謳った車両もあったが、それらを総称して一般型の一種としてくくられ、実際には特定の車種に分類することが困難だった。正式に使われるようになったのは国鉄時代末期になってからである。
- 電車については通勤形と近郊形に長らく二分していたが、JR東日本では701系は通勤形でありながら長距離運用にも供されたり、E217系は編成の過半数をロングシート車で占めながらもグリーン車とセミクロスシート車があることを理由に近郊形に分類され、E127系に至っては通勤形ははもとより、近郊形だけでなく、一般型と言った用法が使われるなど、車種を特定することがあやふやになるなど、E231系で初めて通勤形と近郊形の区分を統合し、一般形となった。
- 他のJR各社における普通列車向けの電車は現在でも通勤形と近郊形に二分しているが、例外的にJR西日本の125系は一般形に分類されている。これはローカル線用の標準タイプとして気動車と同じ用法で使われたものであり、JR東日本の事例とは意味合いが異なる。
- エアバッグ
- もともとシートベルトを締めずとも死なないシステムとして開発されたものだが、現在ではシートベルトをつけた前提でその効果を最大限に発揮する。
- 人力車
- 明治期に外国人が入ってくるようになると、さすがにそれまでの牛車や駕篭では済まなくなったが、日本には馬といえば木曽馬のような小形馬しかいなかったことから、馬車の代用として一時期普及した。
- しかし今各地の観光地で使用されている人力車は、モノ自体は当時のものと大して違わなくても、バスでも電車でもタクシーでも代替の効かない独自の立ち位置を獲得しているといえよう。
- ちなみにヨーロッパの観光地では、馬車が同じような役割を果たしている。
- いわゆる「ジャンボジェット」
- この頃、旅客機の主流はコンコルドのような音速機になり、747は貨物用として使われる予定だった。2階建て構造なのも、貨物をいかにたくさん詰め込むかを考えた結果。
- だが、音速機は環境に悪く、コスパや快適性にも問題があることに結局旅客機にも貨物機にも使われることとなった。
その他
- お茶の水小学校
- 手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』の主人公が通っている小学校の名前は「お茶の水小学校」だが、1993年に東京都千代田区の錦華小学校・小川小学校・西神田小学校の3校の統合により「お茶の水小学校」が開校した。
- オルガン
- 本来は教会やコンサートホールにある大型の楽器(パイプオルガン)を指すが、その代用ともいえる楽器であるリードオルガンや電子オルガンが日本では教育現場などに普及し、これを単に「オルガン」と呼ぶことがある。
- 『JET STRIP』機長「欲情達也」
- 元はラジオ番組『スネークマンショー』で伊武雅刀が演じていた『JET STREAM』機長の城達也のパロディキャラだが、後に伊武本人が4代目の機長に就任。見事本物?となった。
- ほぼ同時期に氏の代表的な役といえるデスラーがANA「旅割」のCMに出演していたが、どうにもならない大人の事情もあってか、そちらへの声優としての復帰は叶わなかった。
- シャープペンシル
- 言うまでもなく元々は鉛筆の代替品だが、使い勝手の良さから今ではこっちの方が普及している。
- 元々代替品だった証左として、戦時中には「繰り出し鉛筆」と呼ばれていた。
- 但し絵画に関してはこの限りではなく、鉛筆の方が使い勝手が良い。
- センター試験など、マークシート方式の試験でも未だにHBの鉛筆しか認められていない。
- 鉛筆削りを使わなくていい点が、代替品の領域を脱した大きな理由に思える。
- さらに中学生や高校生にとっては鉛筆に代わってシャープペンシルが主流になっている。
- じゃんけん
- 元々は中国の拳遊び(本拳)をもとに日本で考案されたものとされる。
- 明治以後、中国に日本のじゃんけんが「逆輸入」されて普及した。
- 本来はあめぞう掲示板の避難場所として開設されたが、本家のあめぞう掲示板の衰退とともに日本の掲示板サイトの代名詞的存在になった。
- 本来は2ちゃんねる閉鎖騒動時に避難場所として開設されたが、現在では独自の文化を築いている。
- プレッシャー星人 演:岡村隆史
- 元々は『ウルトラマンレオ』の怪獣人プレッシャー(プレッシャー星人)のパロディとして『めちゃ×2イケてるッ!』で演じたキャラクターだったが、その後ウルトラシリーズの劇場作品『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に出演した。
- ペンギン
- 元々は北半球にいたオオウミガラスの英語名だったが、南極にも似た鳥がいたことからオオウミガラスと同様にペンギンと呼ぶようになった。
- その後、オオウミガラスは絶滅し、ペンギンは南半球に生息する今のペンギンのことのみを指すようになった。
- そういえば「○○ペンギン」はいるが、単に「ペンギン」という動物はいない。オオウミガラスのことなんだろうか。
- 墨汁
- 墨は本来、固形墨と硯でその都度使う分だけするもの。最初から液状で提供される墨汁はもともとは、師範が教室で大量使用する等のための代用品であったろう。
- しかし今日では、少なくとも学童用としては代用品という認識はなさそうに思える。
- それでも一部の専門書家は、墨色や筆の滑り具合などから、固形墨へのこだわりがあるようだ。
- とはいえ墨汁は、容器への戻し禁止とか、他製品との混合禁止とか、けっこう扱いがうるさかったりする。
- ホタルイカモドキ科
- まるでホタルイカの偽モノみたいだが、ホタルイカはここに属する。
- 日本でホタルイカが発見された後にホタルイカモドキが発見されのだが、実際には日本でホタルイカが発見されるより前に大西洋でホタルイカモドキが発見されていたためこうなった。
- 武蔵野学院大学
- 1983年のドラマ版「青が散る」の舞台の大学名は武蔵野学院大学だが、2004年に学校法人武蔵野学院によって開学した。
- 模造紙
- もともとはオーストリアからの輸入紙を国内で模造して作った紙であったが、今では名前以外に模造という要素はない。
- そのオーストリアの紙自体が実は、日本の局紙という紙を模造したものであった。
- 方言ネタとしても重要。地方によっては模造紙では通じず、その土地固有の名前で言わないといけないため。
- 吉野家コピペ(ゴノレゴ)
- 本来は個人ブログに掲載されていた記事だが、2chに貼られ、やがでflashになり流行した。
- flashになる前は叩かれていたらしい。
- セブンイレブンと同様に、元々はアメリカの小売店のFCとして作られたコンビニである。
- 但しセブンと異なり本家のブランド名は完全に消滅したので、名実ともに日本法人が本物状態。
- ワクドナルド(WcDonald's)
- 漫画やアニメにおける「マクドナルド」の商標権回避手法?としてお馴染みの名称だが、2018年3月8日、「国際女性デー」にちなんでロサンゼルス郊外の店で「M」を180°回転させ「W」(Woman)とした看板が実際に設置されて話題に。
- まあ実際に「ワクドナルド」という商号ができた訳ではないのだが、「漫画・アニメのあの景色が現実になってしまった」という意味で記載。
- 湾岸警察署
- 刑事ドラマ「踊る大捜査線」の舞台として有名な架空の警察署だったが、2008年に東京湾岸警察署として開署され現実のものになった。
- 当初は「臨港警察署」という仮称が付いていたが、おそらくドラマの影響でこの名前に。
議論のあるモノ
- 代用品の域を脱した…とは言い切れないモノ。
- カニカマ
- 現在こそサラダ用などの独自の用法が定着したが、やはり「カニ風味かまぼこ」の名の呪縛からは逃れられていない。
- かねてつ食品から「ほぼカニ」なんて商品名のカニカマも登場したが…
- 精進料理
- 肉食がダメだからと、それに似せたものを出す場合がある。
- 山芋をおろした物に海苔を付けて揚げて、ウナギっぽくしたもの、など。
- 似たような物を食べようとしている時点で煩悩を断てていないような気がするのだが、その辺はどうなんだろう。
- 今でもベジタリアン料理の中には、肉を意識したものもあるからなあ…。
- 人造イクラ
- イクラがぜいたく品だった時代には重宝されたというが、本物のイクラの価格が暴落して天然物に逆に駆逐されたという稀有な例。
- 田園調布学園
- 小林よしのりの漫画「おぼっちゃまくん」の主人公が通っている小学校の名前は「田園調布学園」だが、2002年に学校法人調布学園が系列の短大である「調布学園短期大学」を4年制大学化して「田園調布学園大学」と改名し、2年後には付属中高も「田園調布学園」に改名された。
- ただしこの学校法人による小学校はまだ設立されておらず、また中高は女子校である。
- 発泡酒、第三のビール
- 存在自体は完全に定着したが、それでも代用品の域を出ていないように思われる。
- 輸入物だと、原産国ではビール扱いだが日本では発泡酒扱いなど、表示が複雑なものがある。
- 日本の税制に問題がある。最初から全部「ビール」としておけばこんな変な事にはならなかった。
- 第三のビール、というのは正式な言い方ではないが、事実上この言い方で通用している。
- このような言い方で通用するということ自体、代用品でしかないことの証左であろう。
- 「ビール」という単語が使用できないためCMなどでは「新ジャンル」と言ってごまかす。
- 「その他の雑酒②」とも言う。
- PHS
- 携帯電話の料金がまだまだ高額だった1990年代前半に現れ、その安さなどから一時は一定の支持を集めていた。
- しかし、その後は携帯の値下げ競争激化の波に呑まれ、それによって繋がりにくさなどが悪目立ちしてしまい衰退。結局代用品の域を出ることがないまま2018年に新規契約終了へ。
- データ通信(今で言うテザリング)に関しては携帯電話よりこちらが主流だったような?
- 「携帯電話の一方式」とならずあくまで「PHS」だった理由は、PHSはコードレス電話から派生したものだかららしい。
- 少し前まで場内アナウンス等で「携帯電話・PHSなどの電源はお切り下さい」と言っていた(最近では「携帯電話・スマートフォンなどの〜」が多い)。
- ちなみに当初の公式愛称は「フォス」だったが、全く定着せずに誰かが勝手に呼び出した「ピッチ」が定着した。こちらもある意味「本物になった偽モノ」かもしれない。
- ビーチバレー
- バレーボール発祥の地・アメリカではバレーボールといえばビーチバレーという時代があった。
- 豚丼
- 2003年の米国産牛肉の狂牛病問題により牛肉の供給が減少したため、牛丼チェーン店で提供されるようになった。
- その後牛肉の供給に問題がなくなると売上は激減したが、牛丼より豚丼を好む層は一定数存在したという。
- しかし各社とも牛丼に押されてほぼ廃止したため、結局代用品でしかなかったのかもしれない。
- なお「豚丼」そのものは北海道十勝地方に以前から存在していた。
- そのため「牛丼の代用としての豚丼」からこちらに切り替える事例もあった。
- 豚レバー(生食用として)
- 牛レバーの生食が禁止されて以降、驚くべきことに豚レバーがその代用品になっていたらしい。
- まあ常識的に考えても禁止措置は当然だろう。
- そもそも豚肉は生食はダメなんて、常識の範疇だと思うのだが、なぜ牛よりもより危険な方へ代替品を求めたのかが理解できない。
- 愛好者もいたようだが、やはり牛レバーの代用品、という立ち位置自体には変わりなかったのだろう。
- 牛肉はなにかとリスクが高いため、豚肉で代用する事例が多発(上記「豚丼」など)したので、同じ発想で作られたのだろう。
- ベビースターラーメン
- 元々は松田産業(現・おやつカンパニー)がインスタントラーメンを発売したものであったが、製造工程で発生した麺のかけらをお菓子として商品化した。
- マーガリン
- 動物性脂肪であるバターに対し、植物性で低コレステロールなどと謳われ、代用品の域を脱したかに見えた時期もあった。
- しかしここへきて、トランス脂肪酸の有害性が言われ出して微妙な立ち位置となってしまった。
- 「まるでバターのようなマーガリン」という商品があるので、やっぱり代用品のままなのかもしれない。
- スワローシステム
- 元々はひたち・ときわの方が機能面も印象も強いが、あかぎ号を全車指定席にして、指定席特急券と同額の座席未指定券という形で空いてる席に座れるようにして、仕事で時間が読めない・座席指定の面倒さの客も、わざわざ座席指定しなくていいようにしていた。
- ひたち・ときわにも全車指定席の座席未指定制が登場したが、こちらは購入状況が客からも見えるように、ランプで把握出来るので、以下のようになってる。
- 赤なら現時点ではその席を買ってるないので、座席未指定券の場合はそこに座る。その後、車内改札を実施して、暫定的に緑にする。
- 黄色は次の停車駅で実際に購入した人が乗るので、退くように指示してる。
- 緑は座席指定した人が乗車する駅に到着した以降になってる。この緑の席に座っていたら、車内改札は省略される。先述のように、座席未指定券の人は車掌に乗車券と座席未指定券を提示して、車掌が端末で緑にする。
- ひたち・ときわにも全車指定席の座席未指定制が登場したが、こちらは購入状況が客からも見えるように、ランプで把握出来るので、以下のようになってる。
ちょっと違うモノ
- 一見代替品っぽく見えるが、誕生経緯が全然異なるモノ。
- クーピーペンシル
- 小学校の図工の授業などで色鉛筆やクレヨンの代わりに使われるが、これ自体は「色鉛筆の木の部分が勿体無いから」と言った理由で作られた物ではない。
- 207系電車は国鉄時代に900番代が製造され、JR東日本に引き継がれた車両があるが、JR西日本のものは設計思想が大きく異なっており、全くの別物である。
- ある鉄道雑誌では国鉄形車両の一種として括られることもあるらしい。
- スープヌードル
- カップヌードルと同じ日清食品が製造しているが、その事実を知らない人に偽物扱いされやすい。
- シェーバー
- バリカンに似ているからこれの代替品なのでは?と思う人もいるだろうが、使用目的が全然異なる。
- バリカンは理髪用のハサミ、シェーバーはカミソリから派生したものなので誕生経緯も違う。
- 実際にやる人はいないだろうが、バリカンを使っても髭をきれいに剃る事はできない。
- 玉子豆腐
- 豆腐と比べても誕生は後だし、作り方が全然違うので代替品ですらない。
- 「豆腐」と付いているのは杏仁豆腐などと同じ論理、と言えば伝わりやすいかな?
- 作り方としては茶碗蒸しに近いので、むしろ分類としてはそっちに入れた方がいいのかもしれない。
- 豆乳
- 日本では専ら、牛乳の代用としてのダイエット食品として使われるが、歴史的経緯はどう見ても牛乳とは別物。
- こちらは他とは逆で「本来代用品ではないのに、代用品の烙印を押されてしまったもの」の気がする。
- なお発祥国である中国では、むしろ伝統的に牛乳より普及していた。
- なめ茸
- ニセアカシア
- アカシア蜂蜜の原料なのでアカシアの代替品と思われがちだが、日本に入ってきたのはこっちの方が先。
- そもそも(本物の)アカシアの蜜を使った蜂蜜を見た事が無い。この為養蜂業界では今でもこっちが本物。
- 本物が輸入され始めて便宜上「ニセ」を付けたので、「偽モノにされた別物(但し養蜂業界を除く)」と言うのが正しいんだろうか。
- 『アカシアの大連』のアカシアもニセである、と中学受験の時の参考書に載っていた。
- ハードディスク
- パソコンにおける普及の経緯だけをみるとフロッピーディスクの代替品のように思えるが、開発されたのはこちらが先である。
- 世界初の商用ハードディスクは1956年、フロッピーディスクは1970年に開発。
- メープルシロップ
- 日本では専ら蜂蜜の代わりとして扱われている感があるが、原材料からして全くの別物である。
- メープルシロップは蜂蜜と違って赤ちゃんに食べさせてもOKだったりするので、この点に関しては蜂蜜より優位なのかもしれない。
注釈
- ↑ 山口謠司 「ん 日本語最後の謎に挑む」 2011年11月10日発行第6刷 47ページより引用