情報処理技術者試験

2021年8月13日 (金) 17:19時点におけるメイベルラビット (トーク | 投稿記録)による版 (→‎プロジェクトマネージャ試験: 自分の投稿を一部修正)
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試験区分一覧

  • ITパスポート試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 基本情報技術者試験(旧・第二種情報処理技術者試験)
  • 応用情報技術者試験(旧・ソフトウェア開発技術者試験、第一種情報処理技術者試験)
  • 高度情報処理技術者試験
    • ネットワークスペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験ネットワーク部門、オンライン情報処理技術者試験)
    • データベーススペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験データベース部門)
    • エンベデッドシステムスペシャリスト試験旧・テクニカルエンジニア試験エンベデッドシステム部門、マイコン応用システムエンジニア試験)
    • 情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験、テクニカルエンジニア試験情報セキュリティ部門)
    • システムアーキテクト試験(旧・アプリケーションエンジニア試験、特種情報処理技術者試験)
    • プロジェクトマネージャ試験
    • ITストラテジスト試験(旧・システムアナリスト試験)
    • ITサービスマネージャ試験(旧・テクニカルエンジニア試験システム管理部門、システム運用管理エンジニア試験)
    • システム監査技術者試験(旧・情報処理システム監査技術者試験)

過去の試験区分

  • 初級システムアドミニストレータ試験
  • 情報セキュリティアドミニストレータ試験
  • 上級システムアドミニストレータ試験
  • プロダクションエンジニア試験

情報処理技術者試験の噂

  1. 一応国家試験ではあるが、合格しても独占業務(特定の資格を持ってないと出来ない特別な仕事)は特に無いため、厳密な意味での国家資格(免許)ではない。
    • ただしエンジニア系の公務員だと、情報処理技術者の有資格者しか採用しないケースがとても多い。
  2. 国家試験なので、他のIT資格に比べて受験料が安いのが魅力。更新制度も(一部の区分を除いて)無い。
    • ただし特定企業の製品についての問題が出題できないため、実務ではあまり役に立たないという意見もある。
    • スキルレベル3以上の区分は2021年(令和3年)度秋期から、スキルレベル2以下の区分は2022年(令和4年)度春期から受験料が値上げされる予定である。学生や若手社員にとっては大きな痛手である。しかしそれでも民間企業の認定資格(所謂ベンダー資格)に比べたら全然安い。
  3. 「技術者」という名前であるが、開発側の人間だけでなく、一般利用者向けの区分もある。
    • 具体的にはITパスポート試験と、情報セキュリティマネジメント試験。昔は初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。
  4. 理系の試験と思われがちだが、マネジメントや経営戦略、法務などのビジネス系の問題も多い。
    • エンジニアでもある程度勉強しないと受からないのはこのため。逆に文系なら得点源。
    • ビジネス系の問題が多いのは、経産省系の試験だからなのだろうか?
  5. 最近はセキュリティの問題が多い。
    • 高校数学の問題も多い。ただし流石に大学受験よりは簡単。
  6. 午前科目は4択マークシートであり、過去問の使い回しが多いことで有名。
    • ただし午後科目は長文問題で毎回テーマが変わるため、午前を丸暗記で突破したような人は地獄を見ることになる。
    • ITパスポートは過去問からあまり出ないため、人によっては基本情報技術者の午前より難しいともっぱらの噂。
  7. 受験料が安いためか、当日欠席者も多い。
    • 業界の特性上、突発業務で受験できなくなったという人も多い。
  8. 試験そのものよりも、朝早く起きて会場に行くのが最難関の試験。
  9. 年2回実施される上に試験区分がとても多いため、情報処理技術者試験を恒例行事としているITエンジニアも少なくない。
    • 例年だと春(4月)と秋(10月)に実施される。
  10. 合格者の認定は経済産業省が行うが、試験そのものは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している。
  11. 各区分ごとに4段階のスキルレベル(難易度)が設定されている。最も難易度の低いITパスポート試験(iパス)はレベル1。基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)はレベル2。応用情報技術者試験(AP)はレベル3。
    • スキルレベル4の試験区分はかなり多くの種類があり、「高度情報処理技術者試験」と総称される。
    • ちなみにFEとSGは表向きは同じスキルレベル2なのだが、実際の難易度ではFEの方が明らかに高い。そのため、SGは実質レベル1.5とか言われたりもするらしい。
    • スキルレベルの最高ランクは7であるらしいが、どうやら5以上はもはや試験で測定できるレベルではなく、実務経験で判定されるそうだ。経験豊富な多国籍IT企業の社員が該当するのだろうか。
  12. iパス以外は午後科目で長文問題が課されるため、しばしば「現代文の試験」と呼ばれることもある。
  13. あらゆる国家試験の中でも合格証書が豪華であることで有名。
    • 経済産業大臣の名前入り。
  14. 免許資格ではないため、一度合格した区分を再度受験することも可能である。
  15. レベルが低い区分から順番に受験しなければならないというルールは無いため、極論を言ってしまえばITの初心者がいきなりレベル4の区分を受験しても構わない。実際に合格できるかどうかは別として。
    • 受験者の年齢も問われないため、小学生でも受験できる。
  16. 警察自衛隊では情報処理技術者試験の合格者は意外と重宝される。
  17. 情報処理技術者試験の合格を単位として振り替えることのできる大学も多い。(産業能率大学など)
    • また、商業高校や工業高校で在学中に情報処理技術者試験に合格すると推薦・AO入試に出願できる大学もある。
  18. ITという変化の激しい領域を取り扱っている試験なので、一度合格したからといって知識のアップデートを行わないでいると、過去に勉強した内容はすぐに陳腐化してしまう。
    • 3年前の知識はもう時代遅れ。取ってから5年以上経った資格に関しては(履歴書に書けるということ以外では)もはや使い道が無い、とも言われる。
  19. 2002年(平成14年)度秋から電卓の持ち込みが禁止になった。
  20. 秋の試験は例年、宅地建物取引士試験と日程が被ってしまうのがお約束。
    • 春にも実施される区分はまだ良いが、秋にしか実施されない区分(スキルレベル4の一部)を受験する予定の人は注意が必要。
  21. 工業高校のジュニアマイスター顕彰制度では、応用情報または高度試験の合格者には最高ランクの30ポイントが、基本情報は20ポイントが、ITパスポートとセキュマネは12ポイントが付与される。
    • 加点ポイントが意外と大きく、ITパスポートですら第二種電気工事士(7ポイント)や危険物取扱者の乙種第4類(4ポイント)より高得点である。基本情報は電工一種や危険物甲種などと同じランク、応用情報に至っては第三種電気主任技術者(電験3種)と同じランクに位置付けられている。
  22. 基本情報と応用情報は午前と午後を合わせて試験時間300分(5時間)である。また、午前、午後それぞれ150分(2時間30分)ずつである。ただし、基本情報の午前は講習による免除制度がある(後述)。
    • 高度は午前1が50分、午前2が40分、午後1が90分(1時間30分)、午後2が120分(2時間)で、合計の試験時間は300分である。ただし、午前1のみ科目合格制度がある(後述)。
    • セキュマネは午前と午後を合わせて試験時間180分(3時間)である。午前、午後それぞれ90分(1時間30分)ずつである。基本情報などより短い。

各試験区分の噂

ITパスポート試験

  1. ITパスポート試験は国家試験の中では比較的簡単な部類に入るが、それでも合格率は例年50%行くか行かないか程度。民間検定を含めた一般ユーザー向けのコンピュータの資格の中ではむしろ難易度が高い部類に入る。
    • 特に高校生の合格率は40%を下回る。ビジネス系の問題で苦戦する子が多いため。
    • まあ内容が浅いとはいえ、範囲は広いからね、、、、、
    • 一般ユーザー側(事務職など)ならITパスポート程度でも十分評価対象になり得る。履歴書にも堂々と書ける。だがIT業界ではやや弱い資格。
      • というかエンジニア志望の場合はITパスポートを履歴書に書いたらむしろマイナス評価になる可能性すらある。エンジニア志望なら最低でも基本情報技術者の資格が欲しいところ(本音は応用以上)。
    • 情報検定(J検)の情報活用試験は1級でも合格率が50%以上、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)に至っては合格率80%だから、アマチュア向けのパソコンの資格としてはむしろ難関の部類に入る。
  2. ITパスポート試験のイメージキャラクターは「上峰亜衣」ちゃん。大手商社に勤務する女の子である。
  3. 一時期、ITパスポート試験の受験者に初音ミクのクリアファイルが配布されていたことがあった。
  4. ITパスポート試験は国家資格としては初めて、CBT方式(会場のパソコン上で受験するタイプの試験)に移行した試験として有名。
    • ペーパー試験だった頃に比べて受験のチャンスが増えた反面、他の区分の午前科目のような過去問の使い回しが無くなったために難易度はむしろ上昇したとも言われている。
    • 現在は基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験もCBTに移行している。
    • このためその日のうちに結果がわかる。
  5. 昔はこの試験区分は無く、代わりに一般ユーザー向けの区分として初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)なんてのもあった。ただし初級シスアドは午前と午後の2部構成であり、合格率も30%程度しかないため、ITパスポートよりは難易度が高かったと言われている。
    • ちなみに本来のシステムアドミニストレータは「システムの運用管理の責任者」という意味であり、ユーザーを指す言葉ではない。
  6. パソコンの操作スキルを証明する資格としては使えないため、アピールするためにはMOSなどと一緒に取得することが推奨される。
  7. 一般ユーザー向けの試験だけあって技術系の問題の難易度は控えめ。むしろストラテジが鬼門。
    • ストラテジに限れば基本情報の午前よりもiパスの方が難しいという意見も多い。
  8. 文系の大学生ならば、自動車の運転免許やTOEIC、日商簿記検定などと並び取っておきたい資格の一つである。
    • 勿論、文系でもエンジニア志望の場合は基本情報技術者(FE)の資格が欲しいところ。
  9. ここに合格できれば基本情報技術者試験で4割程度得点できるとか。つまり、ここで勉強したことが使えるということである。
  10. 合格するだけならそれほど難しくないが、高得点を狙うのはかなり大変である。この試験で9割以上得点するのは、高度試験のうちどれか1個の区分に合格するより大変といわれている。
    • 時々、一度iパスに合格しているにもかかわらず、満点(1000点)合格を狙って何度もiパスを受験する人がいるらしい。
  11. この試験で7割5分以上得点すると、ITコーディネータという資格試験の科目免除が使える。
  12. 意外にもIT企業勤務の人間よりも、そうでない人間の方が合格率が高い。
    • これは非IT系の人間はちゃんと勉強してから受験する場合が多いため。逆にIT系の人間はノー勉で特攻して撃沈するケースが多いものと思われる。
  13. 採点方法が少し特殊である(項目応答理論)。問題数は全部で100問、満点は1000点だが、単純に1問あたりの配点が10点というわけではない。
  14. ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野それぞれ足切りがあるため、どれかが極端に苦手だと、総合得点がボーダーラインを超えていても不合格になってしまう。
  15. 問題数が多い割には制限時間はたった120分しかない。大学入試センター試験の悪夢を思い出す人も多いのではないだろうか。
  16. 採点されないダミー問題が8問出題される。したがって、実際に評価対象になるのは92問である。
  17. 分野別の内訳はストラテジ系が35問、マネジメント系が20問、テクノロジ系が45問という感じである。
    • 基本情報の午前に比べてストラテジとマネジメントの出題比率が高い。このため学生より社会人に有利である。
  18. 希望する試験会場に空席さえあれば、前日の午前中までは予約することができる。試験も毎月実施される上に時間帯まで指定できるので受験しやすい。

情報セキュリティマネジメント試験

  1. 最近始まった情報セキュリティマネジメント試験は表向きは基本情報と同じ階級とされているが、数学や開発に関する問題が少ないため、実際の難易度は基本情報よりだいぶ低い。
    • 初回の合格率は80%以上であり、国家試験とは思えないほど合格率が高かった。運転免許でもここまで高くない。
      • 最近は合格率50%程度に落ち着いてはいるが、それでも十分高い。
    • ただし開発系の問題が少ない分、マネジメントに関する問題が強化されている。また、基本情報と違って午前免除が無いのと、午後の問題文がめちゃくちゃ長いため、人によってはむしろ基本情報より苦戦する場合もある。
    • 歴史が浅い試験だからか、午前は過去問の使い回しがあまり無く、午前免除制度も無いため、基本情報とはまた違ったベクトルの難しさがあるイメージ。
  2. 一度だけ午後のボーダーラインが引き下げられたことがある。本来は60点が合格基準点だったのが、2019年秋の試験のみ46点に引き下げられた。
    • アマチュア向けの試験にしてはあまりにも問題が難し過ぎて、そのままの基準だと(最低レベルとはいえ一応プロレベルの)基本情報と同じくらいにまで合格率が下がってしまうため、特例で基準点を下げることとなった。
  3. 昔は一般ユーザー向けのセキュリティに関する区分として情報セキュリティアドミニストレータ試験(セキュアド)なんてのもあった。ただし難易度は今のセキュマネよりもずっと高かったとか。
    • セキュアドは年1回しか試験がなく、午後が記述式だったため。
  4. 出題範囲が狭く、経営戦略に関する問題があまり出ないため、人によってはITパスポートより簡単らしい。
  5. 受験者数は同じ階級である基本情報の半分にも満たない。
    • エンジニアを目指す人間はこの試験は受けずに、基本情報を受験するケースが多いため。
      • ただしアルゴリズムが苦手な人の場合は、セキュマネに合格してから(基本情報をスルーして)応用情報に進むケースもある。
    • また、知名度的にも同じユーザー向けの区分であるITパスポートと比べるとかなりマイナーである。
  6. 基本情報とは対照的に、受験者・合格者は30代以上が多い。逆に20代以下の若者はほとんどいない。
    • オジサンが多いイメージである。モノがインターネットに接続できるようになったIoT時代、プロダクト製品にネットワーク対応が求められるようになったため、改めて勉強に取り組むことになった中年層の技術者が多いのだと思われる。
  7. 情報セキュリティスペシャリスト試験と名前が似ているが、難易度は全く比較にならない。
  8. 出題範囲が狭い分、セキュリティ分野に限定すれば基本情報より難しい。「セキュリティに限ればスキルレベル2.5」と揶揄する人もいる。

基本情報技術者試験

  1. 基本情報技術者試験は新人のプログラマーや情報系の大学生には「とりあえず取っておけ」と言う資格の一つ。
    • 情報系の学科の出身者が多いが、最近では文系学部出身の受験者も少なくない。
    • 基本という名前ではあるが、それでも合格率は20%程度しかなく、難関国家資格の一つ。
      • 曲がりなりにも情報系の大学の1~2年次で学習するような内容が出題されるから、国公立大学や早慶上理GMARCH関関同立クラスの難関私立大学に通っているような学生でも、舐めてあまり勉強しないで受験すると普通に落ちてしまう程度には難しい。
      • 高校生でこれに合格できたら新聞に名前が載るレベル。
    • ただしIT業界では入社3年目までに基本情報を取得できなければ、資質を疑われてしまうことも、、、、、
    • 一応プロ向けの試験なんで、アマチュア向けのセンター試験の情報関係基礎よりは難易度が高い。
  2. 基本情報技術者試験の午後はアルゴリズムとプログラミングが必須問題であり、難易度も高く配点も大きい。
    • ただしマークシートなので適当に選んでも数問程度は正解できるのがまだ救いか。
    • プログラミングはC言語、Java、Python、アセンブラ、表計算ソフトの中から1つ選択して解答する。Pythonは最近追加。昔はCOBOLがあったが廃止された。
      • 実は試験に出題される言語のチョイスは時代の流れに合わせて変えられている。Pythonを追加する代わりにCOBOLを廃止したのも時代の流れ。ちなみに昔の第二種情報処理技術者試験にはALGOL、PL/I、FORTRANもあった。
      • Pythonは構文が非常に単純(JavaのclassやC言語のmain関数が不要など)だが、新しい分過去問演習がしにくそう。
    • アセンブラはCASLという架空の言語が出題される。
      • 構文が単純であり、覚えることも少ないため、人によっては表計算より簡単という噂も。
    • 表計算は簡単と思われがちだが、マクロ(アルゴリズム)の問題があり、問題文も長いため、意外と難易度が高い。
    • 実はプログラマー向けの唯一の国家資格である。応用情報などでは必須問題じゃないため。
    • セキュリティも必須解答だが、こちらは難易度があまり高くないため心配ない。
  3. 基本情報技術者試験には午前免除制度がある。特定の学校に通っている人は修了試験に合格すれば、一定期間、午前科目が免除される(午後のみ受験でOK)という仕組みである。
    • 自動車の運転免許で例えるならば、実技は教習所で修了して、試験会場では学科だけ受ける、みたいな感じである。
    • 社会人でも利用できなくはないが、講座の受講料は結構高い。
    • ただし午前免除にはデメリットもある。修了試験を丸暗記で突破した人は午後の長文問題で苦戦する可能性が高い。また、午前免除を使って基本情報技術者試験に合格した人は応用情報でかなり苦労するらしい。
    • この認定講座、ほとんどは情報処理系の専門学校で実施されている。だから多くの情報系の専門学校では学生に積極的に基本情報を受験させる。
      • 俺が通っていた専門学校では情報系の学科の学生は全員強制受験だった。そのためやる気のない者も相当受けさせられている。
        • うちの専門学校(2年制)では卒業までに基本情報に合格できたのは(俺含め)クラスの上位3割以内の人間だけだった。卒業までに3回受験できることを考慮すれば、1回あたりの合格率で言えば全国平均よりも低い。
    • 一部の大学(主に情報系や経営学部など)でも認定講座が開設されている場合がある他、稀に工業高校や商業高校でも認定講座を受講することができる場合がある。
  4. 昔は第二種情報処理技術者試験と呼ばれていた。
  5. 実は表計算は元々は基本情報技術者試験には出題されておらず、初級シスアドという昔あった別の試験区分から移行してきた分野である。
  6. 2009年以降はストラテジと呼ばれるビジネス系の分野が午前で出題されるようになり、多くのエンジニアを泣かせることになった。また、午後の選択問題でもストラテジが出題されるようになった。
    • これも元々は初級シスアドで重点分野となっていた。
      • このため、現役のエンジニアやプログラマーの場合はむしろ午後より苦戦するとのこと。
    • ただしこのストラテジと表計算のおかげで、文系でも比較的合格しやすい試験になった、とも言える。
  7. 中途でIT業界を狙う場合はこの資格がほぼ必須と思って良い。
    • 大手企業だと新卒であっても入社前にこの資格の取得を義務付けている場合がある。
    • 公的機関(官公庁、警察、自衛隊など)の情報系の部署だと、この試験またはより上位の区分に合格していることを採用条件として課している場合が多い。
  8. ITパスポートは参考書が1冊で済むが、この試験だとそうもいかない。午前巻・午後(アルゴリズム)巻・午後(プログラミング)巻の最低3冊になるとか。
    • 表計算、CASL、C言語についてはだいたいどこの書店でも販売されているが、Javaのテキストは百貨店か大型ショッピングモールにでも行かないとなかなか手に入らない。
    • 「参考書の著者は誰が良い(わかりやすい)か」がしばしば議論される。
  9. CBTになってからは合格率が50%を超えるようになった。しかし、ペーパー時代に比べて、やる気のない者(記念受験者)が敬遠するようになったという側面もあるため、必ずしもペーパー時代より簡単になったとは言い切れない。
  10. 社会人の合格率は低いが、意外にも学生の合格率は実はそれほど低くない。ITパスポートとは対照的である。
    • 学生はちゃんと勉強してから受験するケースが多いが、社会人は忙しくて勉強時間が確保できないまま特攻してしまうケースが多いというのが理由。
    • また、社会人に有利、学生に不利なマネジメント系やストラテジ系の出題比率が(ITパスポートに比べて)低いのも理由。
  11. 一応、名刺にも保有資格として記載できる資格ではある。
    • ただし本当にギリギリのライン。
  12. 情報処理技術者試験の中で最も受験者数が多い区分である。また、受験者・合格者は20代が多く、平均年齢も全区分の中で最も若い。
    • 先述の通り、学生や若手社員がとりあえず受けるというケースが多いからである。
  13. プログラミングをテーマとした唯一の国家試験であるため、既に基本情報やより上位の区分(応用情報、高度)に合格した人でもリピーターとして基本情報を受ける場合がある。
    • 免許資格ではなく、実質的には検定試験であるため、合格者の再受験は全く問題ない。
  14. 基本情報の午後のアルゴリズムとプログラミング(表計算を含む)は、応用情報や高度の合格者でも満点を取れる人はほとんどいないと言われるほどの鬼門である。この2つの分野に限ればスキルレベル3.5とすら言われているくらいである。
  15. 難易度的には決して簡単と言えるようなものではないのだが、その割に社会的評価は芳しくないため、これを取って満足してしまうのは勿体ない。これを取ったらできれば応用情報や高度まで頑張ってもらいたいものだ。

応用情報技術者試験

  1. 応用情報技術者試験は午前免除が無く、午後が記述式である。
    • ただし応用情報技術者試験の午後はセキュリティ以外は全部選択問題。例えばアルゴリズムを回避して、ビジネスに関する問題で固めるという攻略法もあるため、文系ならむしろ基本情報より簡単説もある。
      • 実際、基本を飛ばしていきなり応用を受けて合格する人もいる。
    • 昔のソフトウェア開発技術者試験では午後のアルゴリズムが必須だった。しかも記述式。
      • ソフ開は午前、午後1、午後2の3部構成であり、特に午後2は複雑なアルゴリズムやSQLが出題されていたため、難易度が非常に高かった。
    • 午後が記述式であるため、基本情報などと違って神頼みが通用せず、完全な実力勝負・真剣勝負になる。
  2. 最初は第一種情報処理技術者試験という名前で、21世紀に入ってからソフトウェア開発技術者試験に改称、2009年に応用情報技術者試験に名前が変わった。
  3. これに合格すると弁理士国家試験や中小企業診断士試験の科目免除の特典を受けることができる。
  4. この試験に合格すると、文系の超難関国立大学である一橋大学の商学部、社会学部の推薦・AO入試の出願資格が得られる。実際に合格できるかどうかは別として。
  5. 基本情報との難易度の差は実はそれほど大きくないのだが、社会的評価はだいぶ差があるため、比較的コスパが良い資格であると言える。
  6. 人件費削減のためか、午前で足切りを喰らうと、午後は自動的に0点になる。というか採点すらされなくなってしまう。
  7. 他の区分は基本情報はプログラマーのための資格、高度試験は各分野の専門家のための資格というように立ち位置がはっきりしているのだが、応用情報は午後がセキュリティ以外は全部選択問題であるため、立ち位置がはっきりしない試験と言われてしまうことが少なくない。
    • 昔の第一種やソフ開の頃はゴリゴリの開発系の試験だったのだが、今の応用情報は運用系のエンジニアや一般ユーザーも受けに来る。
  8. これに合格すると、高度試験の午前1の受験が2年間免除される。
  9. これに合格できるかどうかがITエンジニアとして一人前と認められるかどうかの評価基準といわれることが多い。
    • 基本情報はあくまで「上司の指示に従えるレベル」、応用情報が「ほとんどの業務を一人でこなせるレベル」という違いである。

高度情報処理技術者試験

  1. 応用情報技術者試験の更に上の階級で、高度情報処理技術者試験というのもある。一つの区分では無く、複数の区分の総称である。
    • 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
      • 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
        • 論文が課される区分:システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)、ITサービスマネージャ(旧システム運用管理エンジニア)、システム監査技術者
    • 高度の各区分は原則として、4月と10月のどちらか年1回しか実施されない。(基本情報などは年2回実施)
    • ちなみに基本情報と応用情報の差よりも、応用情報と高度の差の方が遥かに大きいらしい。
    • 高度情報処理技術者試験の各区分は専門分野に特化した試験であり、出題範囲は応用情報までと比べて狭いが、その分、モノ凄く深い内容まで突っ込まれる。
    • 後述のセキュリティスペシャリストを除いて、どの区分も受験者は少ない。特に組み込みシステムみたいな特殊な分野だと尚更。
  2. 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成である。
    • 時々、午前1で不合格になってしまう人を見かける。出題内容自体は浅いが範囲がとても広いため。厳密には専門分野の知識を測定するのは午前2以降となる。
    • 午前1で落ちるのはマジで勿体ないので絶対に避けるべき。ただし午前1は科目合格(免除)制度もあるため、午前1だけ受けて途中で帰る、なんて作戦もアリ。
      • 応用情報の合格者も高度の午前1が免除される特典がある。
      • 午前1の免除制度の有効期間は2年間である。期限が切れてしまったら、もう一度午前1から受験しなおさなければならない。
  3. 意外にもアルゴリズムに特化した高度区分は現在は存在しない。
    • 昔はプロダクションエンジニアという区分があったが、21世紀に入る前に廃止された。
  4. かつてはユーザー向けの高度区分も存在した。情報セキュリティアドミニストレータ(セキュアド)と上級システムアドミニストレータ(上級シスアド)だ。
    • セキュアドは難易度を大幅に下げて、情報セキュリティマネジメント(セキュマネ)として事実上復活している。
    • 上級シスアドは論文課題があったため、ユーザー向けとは思えないくらい非常に難易度の高い試験だったとか。
  5. かつては一部の区分(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、上級シスアド)がスキルレベル5に指定されていたが、現在はスキルレベル4に統一されている。
  6. 専門学校生でネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストに合格できる奴はほとんどが通信制大学とのダブルスクールをしている奴。2年制の専門学校なら学年トップでも応用情報かセキュリティスペシャリストが関の山である。

ネットワークスペシャリスト試験

  1. 昔はオンライン情報処理技術者試験と呼ばれていた。高度の中では比較的歴史の長い区分である。
  2. 業界ではしばしばネスペと略される。
    • テクニカルエンジニア時代はテクネと呼ばれることもあった。
  3. 覚えることがとても多いため、しばしば「論文課題が無い区分としては最難関」と言われる。
    • 実際、ネットワークセキュリティに関する問題は、情報処理安全確保支援士試験のそれより難易度が高いそうだ。
  4. テクニカルエンジニア時代は1ランク下のソフトウェア開発技術者を飛ばしてテクネを受験する人も少なくなかったとか。
    • インフラ系のエンジニアの場合、アルゴリズムやSQLが苦手だとソフ開にはなかなか合格できないため、ソフ開を飛ばした方が対策しやすかったと言われている。
  5. インフラ系のエンジニアなら電気通信主任技術者や工事担任者と並び取っておきたい資格の一つ。
    • シスコシステムズの認定資格もね。

データベーススペシャリスト試験

  1. 高度区分の一つ、データベーススペシャリスト試験は技術的な知識よりも国語力の勝負と言われることが多い。
  2. 民間資格のオラクルマスターとは出題傾向が異なるため、オラクル持ちでも合格するのは簡単ではない。
    • でも実務で役に立つのはオラクルマスターの方だと思う。
  3. 2019年(平成31年)度春期の午後2に出題されたパン屋の問題がかなりの強敵であったことで有名。
  4. オラクルマスターと違って飛び級受験が認められているから、時々、基本情報や応用情報を飛ばしてデータベーススペシャリスト試験に挑戦する人もいる。
  5. ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡はこの試験に合格しているという設定である。
    • アニメ『ハイスクール・フリート』(はいふり)の納沙幸子ちゃんもね。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

  1. 組み込みシステムに特化した区分で、おそらく情報処理技術者試験の中で最もマイナーな区分。
    • 受験者数は情報処理技術者試験の全区分の中で最も少ない。
    • 他の区分のテキストはあっても、エンベデッドのテキストは売っていないなんて本屋も多いのでは?
  2. 情報処理技術者試験としては珍しく、電子回路や電気の知識が要求される区分。
    • そのため、受験者のほとんどは大学の工学部や高等専門学校(高専)、工業高校などの出身者である。
    • モータの知識も必要だったりする。そのため、高校レベルの物理学、数学の知識も使う。
  3. 出題テーマが非常に幅広く、ドローンや自動車の自動運転システムなどの他、観光案内用ロボットやコインパーキングなどがテーマになったこともある。
  4. 昔はマイコン応用システムエンジニア試験と呼ばれていた。

情報処理安全確保支援士試験

  1. 情報処理安全確保支援士は情報処理技術者の中で唯一の登録制の国家資格(免許)。
    • 元々は情報セキュリティスペシャリスト試験という高度の区分の一つだった。高度の中で唯一、年2回実施されていたということで人気が高かった。
    • 資格の維持費が高い割に独占業務が少ない、更新制度がある、などの理由で、試験に合格しても登録しない人も多いらしい。
  2. 応用情報に合格した人が次に受ける試験は、ほとんどの場合これ。
    • 他のスペシャリスト区分に比べて覚えることが少ない上に、年2回試験が実施されることから、高度の中では最も簡単と言われることが多い。しかしそれでも基本情報や応用情報と比べるとだいぶ難易度は高め。
    • 2年制の専門学校だと学年トップでもこの試験に合格するのが関の山。他のレベル4の試験はダブルスクールをしているような奴じゃなければほぼ受からない。
      • うちの専門学校(2年制)でセキュリティスペシャリストまで取った人のうちの1人は地元の国立大学を中退して専門学校に入学してきた。やはり基礎学力が高い人は資格試験にも強いのだろう。
  3. 情報セキュリティスペシャリスト試験の前身はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験。この頃は年1回しか実施されなかった上に問題の難易度も支援士やセキスペ時代より高かった。
    • 当時はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)がエンジニア向けのセキュリティの試験、情報セキュリティアドミニストレータがユーザー向けのセキュリティの試験と言われていた。
  4. 高度試験の中で最も簡単な区分なので、しばしばレベル3.5の試験と揶揄される。
  5. 高度の中で唯一、セキュアプログラミングに関する問題が出題される。出題されるのはC++、Java、ECMAScriptのいずれかで、基本情報と違って受験者が自分の好きな言語を選ぶことができない。
    • ただしセキュアプログラミングの問題自体は(記述式であることを除けば)基本情報のアルゴリズムやプログラミングの問題より簡単らしい。
    • 昔はPerlが出題されることもあった。
    • 幸いにも選択問題であるため、回避することも可能。むしろ未経験者は手を出さない方が無難。
  6. 情報セキュリティマネジメント試験と名前が似ているが、難易度は全く比較にならない。

システムアーキテクト試験

  1. 1993年までは特種情報処理技術者試験、1994年から2008年まではアプリケーションエンジニア試験と呼ばれていた。
  2. 実は高度の中で最古の区分である。
  3. 昔は受験資格に年齢制限(25歳以上)があった。これは他の論文区分も同じである(区分によっては27歳以上)。
    • 現在は年齢制限は存在しない。しかしそれでも実務経験のない学生や、経験の浅い若手社員が合格するのはほぼ不可能。
  4. 特種、アプリケーション時代は午前、午後1、午後2の3部構成だった。2001年から2008年までは午前はシステムアナリスト試験やプロジェクトマネージャ試験との共通問題が出題されていた。
    • ソフトウェア開発技術者試験の合格者はアナリスト、プロマネ、アプリケーションの午前が2年間免除される特典があった。
  5. 論文系の区分の中で最も簡単なので、受験者はこの区分が論文系で最初に挑戦する区分となる場合が多い。
  6. アーキテクトとは設計者という意味。その名の通り、主に開発・設計部門のリーダーが受験する。

プロジェクトマネージャ試験

  1. 1994年から試験が実施されているが、一度も試験名称が変更されていない区分である。
  2. 2008年まではスキルレベル5だった。
    • ヒエラルキー的にはシステムアーキテクト(旧アプリケーションエンジニア)よりは格上、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)よりはやや格下という位置付けである。
  3. その名の通り、プロジェクトマネジメントに特化した試験である。ITストラテジスト同様、技術要素は控えめ。

ITストラテジスト試験

  1. その名の通り、ストラテジの専門家のための試験である。
    • 技術的な要素が控えめな代わりに、経営戦略や企業活動についてかなり深い知識が要求される。
  2. 昔はシステムアナリスト試験と呼ばれていた。
  3. 一般的には情報処理系の最難関資格といわれる。
    • しかしそうでもないという人もいる。文系の人にとってはネットワークや組み込みなどのスペシャリスト系試験の方が難しいらしい。
    • 正直、技術士の情報工学部門の方が難しいと思う。
  4. IT資格の最難関と言われることが多いが、システムアナリスト時代と比べるとだいぶ難易度は下がっている。
    • 合格率もアナリスト時代は1桁台だったが、ITストラテジストになってからは10%を超える。
  5. この試験の合格者は、厚生労働大臣によって高度な専門知識を持つ労働者であると認められる。IT系の資格ではITストラテジスト(旧システムアナリスト)と技術士だけが高度専門職扱いである。
    • すなわち、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、医師、一級建築士、技術士、博士号、アクチュアリーなどと同じ扱いになる。

関連項目