ベタな通信制大学の法則
ベタな通信制大学の法則
- 入学試験を課すことはない。
- だが卒業試験は思った以上に難しい。
- 慶應義塾大学の通信だと、高校の成績が劣悪である場合とかは書類選考の時点で落とされる人もいる。
- 学士課程なら筆記試験はないが、志望理由書や勤務先の上司・出身校の教員など(家族や知人は不可)による人物評価(各能力の評価や所見を書く、推薦状みたいなもの)の提出が必要だったり、面接や小論文がある場合も。
- 入学資格以外の審査があるとしたら、上記のような高校の成績とか、大学院とか、受講人数が厳しく制限される実験実習科目あたり。
- あとは、志望理由書におかしなことを書いたとか、人物評価や面接がひどい出来だったとか、過去にその大学で何かをやらかしたとかで落ちる感じだろうか。
- 従って、選考は入学資格(高卒またはその見込み、特修生は中卒またはその見込みや個別審査で相当学力があると認められた場合)があるかを見るだけが普通。
- 通学課程の大学が入学者を選抜するのは設備のキャパシティを超える分の入学希望者を辞退させるためであり、通信制はこの問題に陥らずほぼ無限に学生の受け入れができるので入学者選抜が必要ない。ちなみに、このためか通信制大学は偏差値表に載らない。
- 募集定員は数千人から多いところだと1万人以上。通学制でも同じように見えるが、あちらはたくさん学科があっての人数だが、こちらは1-2学部でこの人数となっている。
- だが卒業試験は思った以上に難しい。
- キャンパスまで距離がある人向け。
- 卒業を目指すにはゼミも受けなければならない。
- 卒業要件のうち、単位の2割近くはゼミなので受ける必要がある。
- ゼミの受講日は土日なので週休2日でない人には行きづらい。
- 大学のキャンパスだけでなく、提携校や全国各地で開催してくれることも。
- 社会人でも在学する人はいる。
- 学割目当てで入学する人もいる。パソコンソフトのアカデミックライセンスなど。
- 年末調整や確定申告で「勤労学生」に該当すると税金が安くなる場合がある。
- 中卒・高校中退でも入学することができる。
- 特修生制度を利用し、所定の単位を取得すれば正規の大学生になることだってできる。
- 入れるのは同じ大学のみ。他の通信制大学や通学制の大学の入学資格を得ることはできない。なお、卒業してしまえば他の大学や大学院への入学は可能になる。
- これを利用して他大学への入学資格を得たり、編入を目指したりする人もいる。例えば放送大学だと、千葉大学への編入を目指すための科目履修コースを公式に設けているほど。
- 特修生制度を利用し、所定の単位を取得すれば正規の大学生になることだってできる。
- 卒業にかかる日数は人それぞれで早い者は短大生並みに2年で卒業する人だっている。
- 通信制の大学だと実験がない文系が多い。
- 私の出身校は理系の科目もあり、ゼミで実験もありました。
- せいぜい教育学部で理系科目を多めに取れるくらい。理学部・工学部といった理系の学部はないと思う。
- 通学制の大学より学部・学科がかなり少ない。1,2学部程度しかない。
- 日本学生支援機構からの借金を返済したくない場合は、確かに通信制の大学に在籍するための少額の授業料は発生するけど、放送大学とか永遠に通信制の大学に在籍し続けると今のところ借金を返済しないですむ。
- 2020年度から在学猶予は通算10年までになったとのこと。
- 特定の国家資格取得のみを目的とした課程がある場合もある。この場合2-3年次編入扱いの短縮課程にある場合が多い。
- 高学年にならないと履修できない実習科目もすぐに受講できる(ただし、実習前の講習で1年を要することがあるが)。
- この場合正規の学生と同じ扱いを受けられるので、実習科目も受講できる(ここでも科目等履修生では履修不可の場合が多い)。
- この課程では学士は得られない(資格取得のみ)ことがある。この場合十分な単位が取れたら退学となる。
- スクーリング科目や実習科目を除いてはいくらでも受け入れられるため、科目等履修生の枠が大きい場合も。特に放送大学。
- 科目等履修生は正規課程の学生の履修に支障がない範囲で受け入れるため定員が決まらないが、通信制だとそれが大きいため基本的に入れる。放送大学だと募集定員を公開しており、正規の学生を15,000名募集するのに対し科目等履修生は40,000名も募集する。
- 通学制の大学より大幅に安い(国立1年分程度で4年間過ごせることも)が、履修登録料や継続在学料がかかったり、授業料が単位ごとに加算される方式だったりと、細かくいろいろとかかってくる。
- 対面授業は追加料金がかかることも。
- 普通の科目は期末テストと一緒に通信指導がある。レポートか問題集だが、これに合格しなければ期末テストは受けられない。
- レポート合格が期末テストに間に合わない、あるいは規定の回数を超えて不合格の場合はその場でその科目の不合格が確定する。なお、次学期に学籍があれば途中からやり直すことができる。
- 通信指導合格は期末試験の受験資格にすぎず、最終的な成績はテストの成績で決まる。
- 学習→通信指導課題→テストとなるのが一般的な履修方法。スクーリング科目はこれらを対面授業の中にまとめた感じ。
- 科目によってはテストの時間帯が重複しており、選択した1科目以外の単位取得をあきらめる必要が出てくる場合もある。
- 基本的にスクーリングは土日のうち1-2日で完結する。
- 教科書もある。履修申告したら送ってくる。授業は映像を見る場合も教科書を読んで終わりの場合もある。
- 通信指導科目と対面授業の両方の形式があり、選べる授業もある。
- 前者はテストで、後者は授業内での評価で成績が評価される。やむを得ない事情がある場合以外は両方とも在宅ではなくどこか会場へ足を運ぶことになる。なお、場所や時期が何回かある場合も多く、受けた場所で評価は変わらない。
- 現状、医学部・薬学部・歯学部はない。
- 必要なものは対面授業科目でやろうと思えばできそうではあるが。
- 学割も申請できるが、通学制の大学より厳しくなっている(帰省旅行不可)。
- 通学制の大学では証明書発行機で自動発行できるが(一応理由を聞かれるが、適当に入力すればよい。行き先等は空欄なので自由に使える)、通信制では先に経路や理由を細かく書いた申請書を書いて審査を受ける必要がある。
- 近畿日本鉄道は学割証で通常の乗車券も割引が受けられるのだが、大学の規定でJR線(「旅客鉄道会社線」と呼ぶこともある)しか利用できない場合がある。
- 出願の際、高校卒業を証明する書類として、高校の調査書以外も事前審査なしで受け入れてくれることが多い。大学・短大・高専・専修学校の卒業証明や、大学の場合成績証明書(2年以上在学していることが証明できればOK)でもよい。
- 高卒後5年を経過し調査書を発行してもらえない志願者が多いからか。
- 通学課程への編入学枠があることも。また、他大学編入や留学のために入学するケースもある。
- 国家資格取得へ向けた実習科目がないため他大学を探す、あるいは科目があっても実習先を自分で探し交渉することになる場合が多い。
- まれに大学側が紹介してくれて特別枠で受験しその大学の科目等履修生になれる場合(この場合、出願期間から単位認定までの間は派遣先の大学と両方の学籍が必要)や、国または地方自治体の規定や系列施設の存在から実習先を紹介してくれる場合もある。
- 通信指導課題は第四種郵便(往信15円・返信15円・合計30円)での提出となる場合が多い。このため課題はブックカバーのようなものに挟まれた形になっており、封をしても中が見えるようになっている。なお、通学制の大学より提出様式の不備(返送先や学籍情報の正確かつ漏れのない記入、切手など)に厳しく、1か所でもあったら突き返される。締め切りに間に合わなくても自己責任となる。
- 第四種郵便は安い代わりに通常より時間がかかる(+1-2日)。また、到着確認ができなかったり、(可能性は低いが)郵送事故にあう場合もある。このため、余裕をもって出すか、料金が20-40倍になるが特定記録や速達といったオプションをつけたり、受け付けているなら大学本部へ直接提出しに行くのも一つの手。
- 通学制と比べ、多くの科目を好きな場所で履修するため、自己管理能力が求められる。
- 通学制の大学では卒業研究か、最低でもゼミを履修するのが一般的だが、通信制では卒業研究を履修しないで卒業する学生が多い。
- 卒業研究がない大学もある。
- 近年は通信制大学とのダブルスクール制度を導入している専門学校も多い。
- 通信課程しかないところもあるが、通学制ももつ場合が多い。
- 後者は必要設備の観点から、通学課程の施設の方が充実しているが通信課程の建物はキャンパスの外れにある1フロアの小さな事務室だけ。スクーリング科目は通学課程のものを間借りする。
- 試験を経て通学課程へ編入できることも。
- スクーリング科目は大学本部以外でも開催してくれることも。この場合どこかの貸し会議室が会場となる。
- スクーリング科目以外で通学するとすれば、試験や卒業試験、書類(通信課題)の提出くらい。
- 学生は数万人単位でいるのに事務員は数人程度で回しているため、四種郵便で提出した場合通信課題の提出状況はリアルタイムでは反映されない。また電話もつながらないことが多い。
- 配達に数日、受け付け開始まで1週間程度(日々大量の郵便物が届くため)、答案や返信先等のチェックに数日。つまり採点が開始されるまで2週間はかかる。それから採点に2週間程度かかり、結果通知から返送まで1週間程度。つまり郵送だと1サイクルに2カ月ほどかかる。一方オンライン提出の場合は提出した時点で採点開始となり、早いと数日で採点完了となる。このように効率的なため、オンライン提出に切り替える大学が出てきた。
- 最近は各大学でBYOD化が進み学生にパソコンを購入するよう呼び掛けているが、通信制大学はパソコンがないと学修そのものができない。
- 以前の放送大学は、関東地方はテレビとFMラジオ、その他の地方はBS/CSテレビがあれば学修できた。
- (大学が公認している)サークル活動は基本的にない。まれに自主的に結成してメンバーを募集している場合がある。また通学制の方にも問い合わせれば入れされてもらえるかもしれない。
- 日本にいながら海外の通信制大学に入学することも可能である。もちろん英語能力が必要。