もし数が十二進法だったら/数学

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数学

  1. ローマ数字は、一、三、十二、三十六、十二の累乗数、十二の累乗数の三倍で作られる。つまり、三で一旦繰り上げ、十二で完全繰り上げの二段階(三倍→四倍→三倍→四倍の循環)となる。
    • 主なローマ数字は、I(1)、H(3)、X(12A=10C)、V(36A=30C)、C(144A=100C)、L(432A=300C)、M(1728A=1000C)、D(5184A=3000C)となる。
    • 九までの数は加算則で、H(3)、HII(5)、HHII(8)、HHH(9)となる。十二以上の数も、XHHH(19C=21A)、XXHH(26C=30A)、CCVV(260C=360A)、VXX(50C=60A)、LCC(500C=720A)、MCCHI(1204C=2020A)となる。
    • 減算則が適用される数は十と十一で、IIX(A=10A)、IX(B=11A)となる。十二以後も同じで、XIIX(1AC=22A)、VXIX(4BC=59A)、XXC(A0C=120A)、CM(B00C=1584A)、CHIMP(B14C=1600A)、DMMXCIIX(50BAC=8782A=(8640+0+132+10)A)となる。
      • 三で一旦繰り上げだから、十(A)はHHHI、十一(B)はHHHIIになって、減算規則は無いだろう。従って、XHHHI(1A=22A)、XXXXHHHII(4B=59A)、VVVX(A0=120A)、LLLCCXHI(B14=1600A)、DMMVVVXXHHHI(50BA=8782A)だろう。
    • ラテン語数詞も、centumは144A、milleは1728Aになる。
      • ミレニアムの宴は、1728年に実施された。よって、1728年の日本は徳川時代なので、ミレニアムは無関係。
  2. 九九に「十の段」と「十一の段」(もちろん十二進法では別の数字だが)ができる。
    • 覚えるのは現実より何倍も大変。「七の段」だけでなく「五の段」「九の段」「十の段」も難しい。
      • 九の段:九二乙六(9×2=1612 。「九二・十八」)、九五三乙九(9×5=3912 。「九五・四十五」)、九十七乙六(9×A=7612 。「九の十倍・九十」)…。
        • より明確に、「九九・六乙九」(9×9=6912)。
    • 十の段:十二乙八or十二打八(A×2=1812。「十×二は二十」)、十六五乙or十六五打(A×6=5012。「十×六は六十」)、十十八乙四or十十八打四(A×A=8412。「十×十は百」)…。
    • 九の段は、一の位が9→6→3→0→9で循環するので、むしろ覚えやすいかも。三の段(一の位が3→6→9→0→3で循環する)とは逆の循環になるし。
    • 「十一の段」は現実の「九の段」のようになる。
      • 「九九」ではなく、「十一十一」に相当する語が存在する。
      • 十一の段(甲の段):甲九八乙三(B×9=8312 。十進法の11×9=99)、甲十九乙二(B×A=9212 。十進法の11×10=110)、甲甲十乙一(B×B=A112 。十進法の11×11=121)。
    • 「九九」「99」ではなく、「甲甲」「BB」と呼ばれている。
      • 「B×B=A1」「甲甲・十乙一」の読み方は、「かんかん・じゅうおついち」や「びいびい・えいしいいち」となる。その他の読み方も、「6×A=50」「六十・五乙」は「ろくじゅう・ごおつ」「ろくじゅう・ごしい」となり、「9×9=69」「九九・六乙九」は「くく・ろくおつきゅう」「くく・ろくしいきゅう」となる。
  3. 上記のように「割り切れない小数」が減った結果、小学校2~3年生の算数は分数と小数の時間が減り、九九の時間が増える。
  4. 円の八分割のイメージも変わっている。十進法では、九十の倍数の整数第一位が「0」、二で割り切れない四十五の倍数の整数第一位が「5」だが;十二進法では、四で割り切れない九十の倍数の整数第一位が「6」、二で割り切れない四十五の倍数の整数第一位は「3」か「9」になる。(四十五の倍数の十二進表記:39、76、B3、130、169、1A6、223、260)
    • 前記の四十五の倍数の十二進表記を七百二十(=二周)まで延ばすと、39(4510=1/8周)、76(9010=四半周)、B3(13510=3/8周)、130(18010=半周)、169、1A6、223、260(36010=一周)、299、316、353、390、409、446、483、500(72010=二周)となる。
      • 角度の学習で、「2年で500日」「2周は500度」という表記を見て、「あれ?5倍したんだっけ?」と錯覚する者も続出するだろう。
    • 260(十進数360)については、「7以外の1から∂までの全てで割り切れる」以外に、「1から10までの数のうち、割り切れないのは7とΓだけ」の決まり文句も加わる。
      • 360(十進数504)の5、5A0(十進数840)の9も。
  5. 全体値が100度(十進表記で144度)なのか260度(十進表記で360度)なのかで、割合が全く異なる。例えば、76度(十進表記で90度)や60度(十進表記で72度)や16度(十進表記で18度)は;全体値が100だと、76は「5/8」で60は「半分」で16は「1/8」になるが;全体値が260だと、76は「1/4」で60は「1/5」で16は「1/20 (十二進表記では1/18)」になる。
    • 144を全体値とする例として、摂氏温度計は、十進表記の37.5℃は「46℃」、十進表記の62.5℃は「76℃」になる。
    • 断りがない限り、100度(14410度)は五分の二、76度(9010度)は四分の一、60度(7210度)は五分の一、16度(1810度)は二十分の一という「260度=36010度が全体値」になる。摂氏温度計のような「100度=14410度が全体値」の場合は、「摂氏16度」「60°C」というようにどの単位の度なのかを明記せねばならない。
  6. そろばんは、三進法を補助的に用いて、一桁に「三の位」と「一の位」が交じる物になっていた。ただし、珠は「三の位」が三つと「一の位」が二つで構成されており、桁は九では繰り上がらず、十二で繰り上がる。
    • たぶん、2本の梁を持つ3段構成で、各桁の上段に1個(六珠)、中段に1個(三珠)、下段に2個(一珠)。
    • あるいは、同じく3段構成で、各桁の上段に2個(四珠)、中段に1個(二珠)、下段に1個(一珠)。
    • 電卓は縦四列×横三列で、一番下の列が0,1,2、一番上が9,A,B。
  7. 指数えは、十進法や六進法のような指の「本数」ではなく、指の「関節」で数える方法が主流になっていた。
    • 上がりの数は、六十(50)か百四十四(100)のどれか。{*史実で、バビロニアの六十進法はこの指数え方法で、片手が十二(10)までで、もう片手が0から5までとする方法。}