ベタな医学部の法則
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全般
- 表向きは医学(医療科学)に関して専門的な教育や研究を行う学部となっているが、実質的には学生に国家資格を取らせて、労働者として医療現場で働かせるための養成施設(専門学校)になっている。
- 単に医学部といった場合、6年制の医学科のことを指す。
- 4年制の学科の場合はまた別に学科名を言うのが普通。
- 歯科医師を養成する歯学部、薬剤師を養成する薬学部、獣医を養成する獣医学部とは別物。
- しかしかつては医学部の中に薬学科を置いていた大学もあった。
- 現在は47都道府県すべてに医学部が設置されている。
- 医学部しか無いような単科大学のことを特に医科大学と呼ぶ。
- 早稲田大学には医学部が存在しない。
- 総合大学だと、医学部のキャンパスだけ他の学部から隔離されていることもある。
- 教育大学や工業大学などと異なり、医科大学の附属高校は全国に1校しか存在しない。(医学部がある総合大学を除く)
- 卒業後にお礼奉公をするという条件付きで、在学中の学費を貸与してくれる大学も存在する。
- このお礼奉公というのは、大学が指定した医療機関などの施設で一定年数以上働くことを言う。
- なおお礼奉公を拒否した場合、貸与された学費は全額返済しなければならない。
- 国公立、私立それぞれに旧帝大(国立のみ)、旧制医大、旧医専、新設というカテゴリ分けが存在する。これは歴史的な格式によるものである。
- 旧帝大、旧制医大は戦前から医科大学として認められていたもの。
- 国公立の旧制医大の場合は特に旧官立医大ということも多い。
- 私立の旧制医大は3校あったことから、御三家とも呼ばれる。
- 旧医専とは、昭和時代(戦前)は医学専門学校と呼ばれており、戦後に入ってから大学に昇格したもの。
- 新設とは、戦後に入ってから新しく医学部が出来た大学のこと。
- 一般的にヒエラルキーは旧帝大>旧官立>私立御三家>国公立旧医専>私立旧医専>国公立新設>私立新設であると言われている。
- ただし入試難易度は必ずしもこれに比例するとは限らない。
- 旧帝大、旧制医大は戦前から医科大学として認められていたもの。
- 私立の医学部だと、民間病院を前身としているところも多い。
学科別
医学科
- 実質的には医師免許を取るための専門学校である。
- ただし「全般」節にも書いたが、研究者や公務員などを目指す学生もいる。
- もっと稀にだが、「適性がないと悟った」「他にやりたい仕事ができた」「メンタルを病んだ」などの理由で、「医師免許は取ったけど医療から離れた」という卒業生もいる。
- ただし「全般」節にも書いたが、研究者や公務員などを目指す学生もいる。
- 私立は他の学部に比べて学費が異常に高い。
- 理由は「大学病院の経営に充てるため」「学費を払ってくれる学生の人数が少ないため」「実験・教育設備が高額だから」などと言われている。
- 国公立の医学科は年額で言えば他の学部と変わらない。(ただし修業年数の関係で総額は他の学部より1.5倍ほど多くはなる)
- 国公立の10倍以上の費用が掛かる私大も少なくない…。
- 時々ある誤解。「医学部は数学や物理を使うのは入試まで、入学後はほとんど使わない」
- 実際には放射線医学や医薬品について学ぶ際は物理の知識をバリバリ使うし、そもそも生物学自体が化学から発展した学問であり、その化学は物理から派生した学問なのである。
- 入学するのも大変だが進級、卒業するのも大変。
- 特に私立は医師国家試験の合格率がそのまま大学評価に直結するため、成績が悪い、つまり国家試験に受かりそうにない学生は留年させざるを得ないのである。
- 学費が高いため、中途退学する者も少なくない。
- 工学部など他の理系学部と比べても地獄である…。
- 特に私立は医師国家試験の合格率がそのまま大学評価に直結するため、成績が悪い、つまり国家試験に受かりそうにない学生は留年させざるを得ないのである。
- 卒業論文が存在しない代わりに、卒業試験が存在する。
- これは国家試験の模試を兼ねており、大学によっては国試本番より難しく設定されていることも…。
- ちなみに歯学部も同様である。
- 人体解剖などのキツい実習もある。そういうのが苦手な人ははっきり言って行くべきではない。
- 「医師免許さえ取れば出身大学など関係無い!」という意見があるが、大学病院や総合病院、研究機関などの場合は他の学部と同様に学歴フィルターが存在し、底辺私大の出身者をお断りしているケースがある。
- また、国公立でも戦後に新設された医学部の場合はフィルターによる足切りを喰らう場合もある。
- でも臨床医としての実力と出身大学のレベルに相関関係が無いってのも事実ではある。結局は個人の問題。
- 他の学部と異なり、1科目でも単位を落とすとその時点で即留年になり、その学年で取った他の単位も取り消しになってしまい、全科目やり直しになってしまうのが非常に怖い。
- 意外と部活動が盛んである。
- これは定期試験の過去問を先輩から頂くためというのもある。
- 意外かもしれないが、実は偏差値上位校ほど国試の合格率は低い。
- 偏差値上位校ほど放任主義になるため。
- 他の学部と異なり、上位校ほど進級難易度は低くなる。
- 偏差値上位校ほど放任主義になるため。
- 国試予備校の講師を招いた授業も多い。
入学試験
- 入学試験の難易度(偏差値)はどこの大学も「一般入試であれば」非常に高く、国公立の医学科なら最低でも京大の非医や東工大レベル以上はある。また、今は私立の底辺校でもテンプレート:早慶の理工学部並みの難易度はある。
- 国公立医学科の上位校になると理科三類以外の東大と互角かそれ以上の難易度になると言われている。
しかし実家が超が付くほど裕福であるおぼっちゃまやお嬢様の場合、大金を積んで私立医学科に裏口入学するという手もあり、この場合はFランク大学並みに入りやすくなる。ちなみに私大に関しては、裏口入学は違法では無い。
- また、国公立でも地方の大学にありがちな地域枠(一般入試よりも合格しやすい代わりに、卒業後にその大学が設置されている県に勤務することを義務付ける制度)という推薦枠の場合は、一般枠よりも入試難易度がやや低くなる。
- 医学科が難化したのは、「医師免許さえ持っていれば不況(不景気)でも食べていける!」という世間での認識が強くなったのが最大の理由。
- 他の学部がFラン一歩手前という水準でも、医学科だけは超難関レベルという私大も多い。
- ちなみに歯学部、薬学部は私立だとF欄のところが少なくない…。国公立ならどこも偏差値高いけど。
- 獣医学科は医学科と同様に国公立はおろか私立すら難関。
- 総合大学では、同じ大学内の他の学部(薬学部、工学部、理学部、農学部など)よりも大学入学共通テスト(旧・大学入試センター試験)のボーダーラインや、二次(個別)試験の偏差値が高くなるのが普通。
- 国公立の場合、二次試験の問題自体は他の学部と共通であっても、ボーダーラインが他の学部と比較にならないほど高くなることが多い。
- 一般的に国公立のほうが私立より入試難易度が高い。
- 国公立の場合、センター試験が必須であるため、古典や地理なども勉強しなければならない。
- 理系クラスの受験生にありがちな地理の暗記が苦手な人だと、学費の高い私立医学科に行くか、それが無理なら医学科自体を諦めなければならなくなることも…。
- 数学、理科、英語はほぼどの大学でも必須教科である。
- 数学はⅠⅡABだけでなくⅢCも課されることが多い。
- 理科は物理、化学、生物の中から2科目を選択することが多い。(地学は使えない大学が殆ど)
- 理科の科目選択は生物よりも物理が推奨されることが多い。
- 生物に比べて高得点が取りやすいこと、数学や化学との重複部分が多く勉強量を減らせることなどが理由。
- 昔は国公立で理科を3科目課す大学もあった。
- 例えばセンター試験、二次共に理科2科目が必須で、二次は2科目のうちどちらか片方はセンターで使わなかった科目を選択するように、と指示される大学もあった。
- 私立の場合、学費と偏差値が反比例すると言われている。
- 学費が安い私大ほど入学しにくく、逆に学費が高額な私大ほど入学しやすくなる。
- 学費を値下げしただけで偏差値が上がるとも言われている。
- 現在は全ての大学に面接がある。これは
マッドサイエンティストを生み出さないため医師としての適性がない受験生を落とすため。- かつては国立の上位校の一部には面接が無かった。
- 私立の総合大学の場合、たとえ附属高校からのエスカレーター式での進学であっても、一般の受験生並みの高い学力が要求されることが多い。
- 年齢差別が激しく、学力検査ではボーダーラインを超えていても年齢を理由に不合格になってしまうケースが目立つ。浪人や社会人入学の場合は特に注意が必要。
- ただしこれに関しては、体力的に医学科のハードなカリキュラムに耐えられるかどうかという観点から、であるとも言える。
看護学科
- 看護師を養成する4年制の学科。
- 男性より女性の学生が多い。
- 勉強内容自体は医学科はおろか理工系と比べても簡単だが、その分体力が重要になる。
- 一般的に入試難易度は同じ大学の理工系と比べても低い場合が多い。
- 個別試験で理科が必須でなかったり、数学のⅢCが無いなどの理由で文系クラスの出身者でも受験できることもある。
- しかし東大の看護だけは例外で、並みの国公立医学科よりも遥かに難しい。(東大は学科別入試ではなく、科類毎の一括募集だから)
- 看護専門学校との最大の違いは「教養科目があるかどうか」。
- 一部の病院では学歴フィルターによって専卒の看護師をお断りしていることも。
保健学科
- 保健師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士などを養成する。
- 大学によっては看護師の養成課程があったり、独立した学部として存在したりする。
生命科学科
- 医師免許は取得できないが、医学の研究者を養成する学科。
- 理学部の生物学科との違いが分からない。
医学研究科
- 医学部がある大学に置かれている大学院のコース。
- 入学資格は医学部の卒業生に限定されず、工学部などの他の学部の出身者でも入ることができる。
- 論文を執筆して高い評価を得ると医学博士の称号が得られる。
- ただし医学博士を持っていても医師免許が無ければ医師として働くことはできない。